其ノ六 襖
ご入学の儀の折には見頃であった寺子屋の門の
安子様は元よりおっとりした方で、
ようやっと
「遅い! 何をしておられるのじゃ。もうとうに皆様お集まりであるぞ。」
と、太い叱責のお声がお二人の耳に入って来たので御座います。
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