タイトルの話(有益度★★★+0.5★)

 カクヨム発文芸作品座談会の中で『夜道を歩く時、彼女が隣にいる気がしてならない』のタイトルに言及されている箇所があります。

 が、意図の部分が書かれていないので、どういうことなのか説明しておこうかなと。

 記事はこれです。

 https://kakuyomu.jp/info/entry/offer_symposium


 もともと投稿初期(2022年12月上旬)の段階では『夜道を歩く時、彼女が隣にいる気がしてならない ~怪談ライター米田学のオカルト事件簿~』というタイトルでした。

 しかし、途中で『~怪談ライター米田学のオカルト事件簿~』の部分を削除しています。

 これには明確な意図があってのことです。

 私はWEB小説もまぁまぁ読む方でして、タイトルがキャッチコピーを兼ねるパターンが多いということは認識していました。

 そもそもタイトルの時点で面白そうかどうかと同時にどういう内容なのかまで判定した上でタップするかどうか決めるものだという理解です。

 それが長文タイトルの本質で、さらに+αとしてスマホ操作の際のタップスペースを広範囲に取れるので押しやすくなるというメリットもあるわけです。

(最近はまたファンタジーでも短いのをよく見るようになってきた気がしますが)

 私は長文タイトルも全然アリ派。

 とはいえ、カクヨムはキャッチコピーを表示できるのでタイトルに作品内容を入れ込まなくても、キャッチコピーに書けばいい。あるいはタイトルで内容を説明してキャッチの方を多少意味がわからなくても引きがあるパワーワードを使うという選択もとれます。一般的には。

 『よみかの』に限ってはそうもいかなかったという事情がありまして。

 作品をお読みいただいた方にはご理解いただけると思うんですが、メインタイトルとキャッチコピーは今のもので固定せざるをえないんですよ。作品とリンクしているので。

 このタイトルじゃないと作品が成立しない。かといって、キャッチコピーは違和感と雰囲気作りを担当している。

 となると、必然的にサブタイで内容を説明しつつ、タップスペースを拡大するしかない、ということになります。

 ただ座談会で編集者さんたちもおっしゃっていましたが、作品には本来不要なものなので、選考期間初期に読者数を増やす段階はわかりやすさ重視でサブタイを入れておいて、作品評価やレビューでランキング入りして多くの方の目につくようになった段階で削除するという戦略をとることにしました。

 ところがどっこい、選考初期の段階で既にチェックされていたので、編集長や担当編集者さんにはサブタイが入っているところから消えるまでの経緯まで見られていたというわけなんですね。

 あ、こいつ消したなって思われてた。

 編集長と面談した時、「なんでサブタイ消したの? もともと消すつもりだったの?」って訊かれた。

 で、↑の説明した。

 まぁ、座談会によると編集者さんもタイトルでどういう内容か見て、興味ありそうだったら読んでくれるみたいだったので結果よかったんですけど。


 なので、私個人としては文芸作品っぽい練ったタイトル+内容を説明したキャッチコピーorサブタイ(書籍化の際に削除できる)を組み合わせるのは一つ読者選考前のアピール戦略として強いんじゃないかと思いますね。

 あくまでホラーとか文芸部門の一部の作品に限っての話ですが。


 あとキャッチコピーの前後に【ホラー初心者大歓迎】【完結保障】も入れてましたね。

 そもそもホラーが苦手な人にも読んでもらおう、最初の一冊目になったらいいなという気持ちで書いた作品だったのでそこもアピールしておくかっていうことで。

 他にそういう作品もなさそうだったので、差別化できるだろうという目論見もありました。


 基本公募勢だったということもありますし、去年のカクヨムコンが最初で最後(多分)のWEB小説のコンテストになるだろうと思い、その一回でやれることは全部やろうとしてたんですよね。

 作品内容だけでなく、タイトルやキャッチコピーまで結構考えてたんですね、過去の私。

 座談会読むまでサブタイの存在なんてすっかり忘れてましたけど。

 別にこんなの正解でもなんでもないですけど、意外と編集者さんは見てるし意図も汲んでくれるので、色々と考えて試してみると良いかと思います。

 今回は星3.5くらいですかねぇ。

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