「……好き」

「よっ! ……とっ!」

 家に帰り奏はラフな格好でゲームの続きをしていた。

「……おぉ」

 チュートリアルを終えて戦いが続いたがめちゃくちゃ面白そうで俺も触りたくなってしまうほど見惚れてしまうゲームだった。 

「……」

 チラチラと奏がこっちの方を何度も見てきた。

「なに?」

「いやー士郎もそろそろゲームしたい感じかなーと思って」

「――っ。……別に」

 ニマニマとこっちを見てきた。なんで図星を当てるんだよこの姉は……。

「貸してもいいけど私のお願いを聞いてくれたらいいよ」

「お願い?」

「お姉ちゃんのこと好きって言ってくれたらゲーム貸すよ」

「……今?」

「お姉ちゃん的に士郎の好きを今、求めているの……」

「えっお、おぉ……」

 よくわからないが奏が頬を膨らませていた。

「いいけど……」

 俺はその場で深呼吸をした。

「好きだよ奏」

「――っ」

 奏では小さく頷いた。

「私も士郎のこと……」

 奏での顔が少し顔が赤くなり。

「……好き」

 ニコっと優しい顔でこっちを見ていた。

「――っ」

 今、この言葉は本当の好きな人の言葉に聞こえた……。

「えへへ……それじゃあ貸してあげるね。夕飯はハンバーグでいい?」

「えっ……えっとお願い」

「はーい。じゃあ出来たら言うから待ってて」

 奏ではその場から離れて一階の方へと降りていった。

「――すぅ」

 心臓がバクバクと鳴り響いていた。

「あぁ……」

 何故だかわからないがただ幸せでゲームに集中出来なかった。

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義姉弟で恋人 二髪ハル @2kamiharu

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