第12話 レベルダウンの罠 【side:ゴーヨック】


 王様から解放されて、俺たちはマルダ神殿に向かうことにした。

 金も手に入れたことだし、適当に地図を買ってマルダ神殿に向かおう。

 レベル50になるとマルダ神殿にいって、上級ジョブを手に入れられるからな。

 俺は、市場で安めの地図を買うことにした。


「おい、マルダ神殿に行きたいんだが。地図を売ってくれ。なるべく安いもので頼む」

「なら、これなんかどうですかね」


 俺は市場で一番安い地図を買った。

 地図なんてのは、ただの場所を書いた紙だ。

 そんなもんに大金を払うなんてばからしい。

 地図なんてのは、一番安いもんで十分なんだよ。

 それなのに、あのシンの野郎はいつも地図にいちいちこだわっていやがったな。

 安い地図の中でも、一番見やすい地図だのなんだの。

 地図によってルートが違ったりするみたいだが、そんなのはどうでもいいんだ。

 まったく、地図なんて目的地に着ければなんでもいいんだよ。


「よし! マルダ神殿にいざ出発だ!」


 俺たちはマルダ神殿目指して街を出た。





 マルダ神殿に行くには、いくつかのダンジョンを抜けていかなければならないようだ。

 まあ、俺様ならどんなダンジョンでも楽勝だ。

 ダンジョンごとに、地図もあるようだが、俺は面倒なのでそれは買わなかった。

 いちいちダンジョンの地図まで買ってたら金がなくなるからな。

 ダンジョンごとき、地図なんていらないだろ。


「えーっと、この山岳ダンジョンを抜ければ、マルダ神殿に着くようだな。よし」

「さっそく入りましょう」

「そうだな」


 俺たちはダンジョンの中へ。





「おかしい……おかしいぞ……」


 ダンジョンに入ってから、もうかなり歩いている。

 なのに、一向に出口につかない。


「ねえゴーヨック、まさか迷ったとか?」


 マーリーが後ろからそう話しかけてくる。


「うるせえ! 別に迷ってねえよ! このまま歩けばそのうち出られる」


 地図もなしにダンジョンに入ったからか、俺はすっかり迷っていた。

 くそ……どっちにいけばダンジョンを出られるんだ。

 まさかこんなに複雑な作りのダンジョンだとは思わなかったぜ……。

 俺は出口もわからないまま、闇雲に歩いていた。


 くそ……もうかなり長いことダンジョンの中にいるぜ……。

 喉も乾いたし、腹も減ってきた。

 いつもならシンに荷物を持たせてたから、こういうとき便利だったのにな……。

 もっと水や食料を買っておけばよかった。

 くそが……!!!!

 だんだん疲れて、歩くのもしんどくなってきた。


「はぁ……もう疲れた……」


 そのときだった。

 俺が壁にもたれて、休憩しようとすると。

 俺の後ろの壁が、ガタっと動いたのだ。


「お……!?」


 そして、それはなにかのスイッチだったようで――。

 俺たちの足元が、ぱかっと開いた。


「うわあああああああああああ!!!!???」


 急に地面が消え、俺たちは下の階へと落とされる。


「ど、どうなってんだああああああ!!!!???」

「きゃああああああああ!!!!」


 かなりの距離落下し、俺たちは地面に打ち付けられる。

 ――ドン!


「いててて……」


 くそ、なんだこのトラップは。

 こんなしょうもないトラップにかかるなんて、腹が立つぜ。

 いつもならこんなことにはならなかったのに、なんでだ?


「くそ、まあいい。さっさと元の場所に戻ろう」


 俺たちが落とされた下の階は、さっきまでとはかなり雰囲気の違う階層だった。

 なんというか、じめじめしていて暗くておどろおどろしい。

 とりあえず俺たちはまた闇雲に歩き出した。


「くそ……いったいどこなんだここは……」


 すると、また俺はなにかの罠にかかってしまう。

 今度は地面が急にへこみ、それがスイッチだったようで……。


「うわ……!?」


 上から、ヘドロのようなものが大量に降ってきたのだ。

 ――ドバァアアアアアア!!!!


「なんだこれえええ……!?!!?」

「きゃあああ! なにこれぇ……!? ベタベタして最悪なんだけど……!」


 汚ねえクソみたいなヘドロが、俺の頭からぶっかけられる。

 匂いもやばいし、ドロドロで気持ちわるい。


「なんだこのトラップだらけのダンジョンはあああああ!!!!」


 いつもならダンジョンに潜っても、こんなふうにトラップにかかったりはしないのだ。

 なんで今日はこうもトラップにひっかかる……!?

 俺はめちゃくちゃイライラしていた。


「もうキレた。さっさとこんなダンジョンからはおさらばだ! うおおおおお!」


 腹が立ったので、俺はもうなりふり構わず突っ走ることにした。

 はやくこんなダンジョンからは出たい。

 俺は全速力でダンジョンを走り回った。


「あ、ゴーヨック! そっちは!」

「え……?」


 そのときだった。

 またまた俺はトラップにひっかかってしまう。

 ポチ。

 俺の足元のスイッチが押され――。


「……ん? なにもおこらないぞ……?」


 くそ、今度はいったいなんのトラップなんだ……?

 だが、一向になにも起きない。

 しばらくすると、俺の頭上から謎の声がした。


『レベルダウンの罠が起動します』


「は…………?」


 今、なんて……?

 その瞬間、俺の身体から一気に力が抜けていく。


「うおおおおおおおお!?!!!??」


 力が吸い取られて、俺は立っていられなくなる。

 くそ……レベルダウンの罠ってなんなんだあああああ!!!?


「あがっ……あがががががああああああ……!!!!」


 全身の力が抜ける。

 あまりに脱力しすぎて、俺は漏らしてしまった。

 くそ……なんだこのトラップは……!?

 しばらくすると、ようやく収まって、俺は立ち上がれるようになる。


「くそが……なんだったんだ今のは……」

「ゴーヨック、大丈夫……!?」


 アカネとマーリーが俺に駆け寄ってくる。


「ああ、なんとかな……なんともなっていないようだが……レベルダウンの罠って言ってたよな……。一応、レベルを確認しておくか……」


 俺は自分のステータスを開いた。

 すると――。

 そこには、信じられない数値が書かれていた。


「あ!? な、なんだこれええええええええええ!!!!?」




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名前 ゴーヨック・ハツメルス

職業 戦士(タンク)

男 16歳


レベル  5

体力   163

魔力   21

攻撃力  25

防御力  31

魔法攻撃 26

魔法耐性 28

敏捷   21

運    18

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【あとがき】



 ここでみなさんに大事なお願いがあります。

 もしここまで読んで、

 

「おもしろかった!」

「続きが気になる!」

「はやくもっとよみたい!」

「ゴーヨックざまぁ!」


 少しでもそう思っていただけましたら、

 ぜひ作品フォローのほうと、評価レビュー、感想のほうで応援いただけますと幸いです。


 ★1つでも、★★★みっつでも、今の時点の素直な評価で構いません。

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