第8話 ダンジョン


 俺には、ある思い付きがあった。

 それをするためには、スポーンコアを探さなければならない。

 俺は、スポーンコアを探しに、ダンジョンに行くことにした。


 スポーンコアがあれば、スポーンコアの前に罠を置いて経験値を稼げる。

 スポーンコアとは、モンスターを生成しているコアのようなものだ。

 ダンジョンコアとはまた別で、ダンジョンコアの子供のようなものだ。

 ダンジョンの探索中に、運よく見つけられればいいけど……。

 ダンジョンに潜るには危険がいっぱいだ……どうやって手に入れようか……。


 ダンジョンにはモンスターが、外の世界以上にたくさんいる。

 直接の戦闘を避けるのは、かなり難しい。

 だが、俺はソロの罠師だ。

 普通に正面からモンスターと戦えば、勝てる見込みはない。

 というわけで、俺はまた新しいトラップを解放することにした。



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ダミートラップ 10SPスキルポイント

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 ダミートラップとは、文字通り、ダミーを生成するトラップだ。

 目の前に投げることで、案山子かかしのように、俺の分身が作り出される。

 ダミーは戦ったりはしないが、おとりとして使うことができる。

 このダミートラップを使えば、モンスターの注意をダミートラップのほうに向けさせることができる。





 俺は、ダミートラップを投げながら、ステルスでダンジョンの中に潜る。

 ダミートラップを物陰から投げ、モンスターがそれに気をとられている間に、次へ進む。

 その繰り返しで、なんとか見つからずにステルスで進むことができた。

 見つかったらほぼ勝てない……そこで終わりだ。

 ここは慎重に……。

 そう思って、俺は物音を立てないように、恐る恐る慎重に進む。

 しかし――。


 ――ドン。

 ――ガサ。


 俺は物陰から出るときに、壁にぶち当たってしまう。

 そして大きな物音をたててしまう。

 モンスターに、気づかれた。


「ガルル……!?」


 モンスターは、狼型の獣モンスターで、ガブゼルというモンスターだ。

 くそ……見つかった。

 普通に戦おうにも、俺には戦闘能力が皆無だ。

 どうしよう……。


「ガルル……!!!!」


 ガブゼルはこちらに襲い掛かってきた。

 俺はなすすべがなく、逃げ回ることしかできない。

 くそ……どうすればいい……!?


「えい……! これでどうだ!」


 俺は咄嗟に、毒餌トラップを、三時の方向に投げる。

 しかし、ガブゼルはそれにまったく興味をしめさない。


「くそ……だめか……」


 そりゃあ、目の前に生きたデカい肉があるんだもんな……。

 こっちに向かってくるに決まってるか。

 俺は、ひたすらモンスターから逃げまくる。

 しかし、こちらの体力も尽きて、追い詰められてしまう。


「っく……万事休すか……」

「ガルルァ!!!!」

「わぁ……!?」


 ガブゼルがこちらに向かってくる。

 俺は、とっさに、針山トラップを目の前に設置した。

 ガブゼルは俺に夢中になっていて、トラップに気づかない。

 そして、そのまま、トラップが発動!

 トラップを設置して、即座起動だ。


 ――グサ!!!!


 ほんとうにギリギリのところで、俺はなんとか助かった。


「ギャア……!?」


 ――バタ。


 ガブゼルは、針山トラップに貫かれて、絶命した。

 はぁ……はぁ……なんとかなったな。

 

「こんな戦いかた……そうなんども通用するものじゃないぞ……。気を付けないと……」


 そう一息ついたときだった。


「シンのレベルが、12から13に上がりました!」


 と、脳内でアナウンスが鳴った。


「あれ……? レベルが上がった……?」


 そうか、至近距離ボーナス!

 即座起動ボーナスで経験値を多めにゲットしたんだ。

 トラップは、通常だと経験値を得られない。

 だが、こんなふうに超近距離で、即座起動した場合だけ、経験値がボーナスでもらえるのだった。

 ふつうはなかなかに危険で、やろうと思ってやれることじゃないが……。

 今回は、なんとか運がよかったな。

 これでまた使えるトラップが増えるぞ。

 ちょうど、新しくアンロックしたいトラップがあったのだ。



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壁トラップ 14SPスキルポイント

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「よし、壁トラップをアンロックっと……」


 壁トラップは、文字通り壁を設置するトラップだ。

 掘削トラップの真逆だな。

 ダンジョンに掘削トラップで穴をあけたりもできる。

 逆に、壁トラップを使えば、ダンジョンに新たに壁を設置したりもできるわけだ。

 壁トラップは、建築なんかにも使える。

 壁トラップはいろいろなことに応用が利きそうだ。

 俺は壁トラップで、あることを考えていた。




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名前 シン・ラトップ

職業 罠師(サポート)

男 16歳


レベル  13

体力   398

魔力   284

攻撃力  63

防御力  65

魔法攻撃 71

魔法耐性 67

敏捷   73

運    81


スキル一覧

・針山トラップ

・トラバサミトラップ

・経験値貯蓄トラップ

・掘削トラップ

・トラップドア

・毒餌トラップ

・スライム床 

・ダミートラップ

・壁トラップ

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