第8話 ダンジョン
俺には、ある思い付きがあった。
それをするためには、スポーンコアを探さなければならない。
俺は、スポーンコアを探しに、ダンジョンに行くことにした。
スポーンコアがあれば、スポーンコアの前に罠を置いて経験値を稼げる。
スポーンコアとは、モンスターを生成しているコアのようなものだ。
ダンジョンコアとはまた別で、ダンジョンコアの子供のようなものだ。
ダンジョンの探索中に、運よく見つけられればいいけど……。
ダンジョンに潜るには危険がいっぱいだ……どうやって手に入れようか……。
ダンジョンにはモンスターが、外の世界以上にたくさんいる。
直接の戦闘を避けるのは、かなり難しい。
だが、俺はソロの罠師だ。
普通に正面からモンスターと戦えば、勝てる見込みはない。
というわけで、俺はまた新しいトラップを解放することにした。
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ダミートラップ 10
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ダミートラップとは、文字通り、ダミーを生成するトラップだ。
目の前に投げることで、
ダミーは戦ったりはしないが、おとりとして使うことができる。
このダミートラップを使えば、モンスターの注意をダミートラップのほうに向けさせることができる。
◆
俺は、ダミートラップを投げながら、ステルスでダンジョンの中に潜る。
ダミートラップを物陰から投げ、モンスターがそれに気をとられている間に、次へ進む。
その繰り返しで、なんとか見つからずにステルスで進むことができた。
見つかったらほぼ勝てない……そこで終わりだ。
ここは慎重に……。
そう思って、俺は物音を立てないように、恐る恐る慎重に進む。
しかし――。
――ドン。
――ガサ。
俺は物陰から出るときに、壁にぶち当たってしまう。
そして大きな物音をたててしまう。
モンスターに、気づかれた。
「ガルル……!?」
モンスターは、狼型の獣モンスターで、ガブゼルというモンスターだ。
くそ……見つかった。
普通に戦おうにも、俺には戦闘能力が皆無だ。
どうしよう……。
「ガルル……!!!!」
ガブゼルはこちらに襲い掛かってきた。
俺はなすすべがなく、逃げ回ることしかできない。
くそ……どうすればいい……!?
「えい……! これでどうだ!」
俺は咄嗟に、毒餌トラップを、三時の方向に投げる。
しかし、ガブゼルはそれにまったく興味をしめさない。
「くそ……だめか……」
そりゃあ、目の前に生きたデカい肉があるんだもんな……。
こっちに向かってくるに決まってるか。
俺は、ひたすらモンスターから逃げまくる。
しかし、こちらの体力も尽きて、追い詰められてしまう。
「っく……万事休すか……」
「ガルルァ!!!!」
「わぁ……!?」
ガブゼルがこちらに向かってくる。
俺は、とっさに、針山トラップを目の前に設置した。
ガブゼルは俺に夢中になっていて、トラップに気づかない。
そして、そのまま、トラップが発動!
トラップを設置して、即座起動だ。
――グサ!!!!
ほんとうにギリギリのところで、俺はなんとか助かった。
「ギャア……!?」
――バタ。
ガブゼルは、針山トラップに貫かれて、絶命した。
はぁ……はぁ……なんとかなったな。
「こんな戦いかた……そうなんども通用するものじゃないぞ……。気を付けないと……」
そう一息ついたときだった。
「シンのレベルが、12から13に上がりました!」
と、脳内でアナウンスが鳴った。
「あれ……? レベルが上がった……?」
そうか、至近距離ボーナス!
即座起動ボーナスで経験値を多めにゲットしたんだ。
トラップは、通常だと経験値を得られない。
だが、こんなふうに超近距離で、即座起動した場合だけ、経験値がボーナスでもらえるのだった。
ふつうはなかなかに危険で、やろうと思ってやれることじゃないが……。
今回は、なんとか運がよかったな。
これでまた使えるトラップが増えるぞ。
ちょうど、新しくアンロックしたいトラップがあったのだ。
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壁トラップ 14
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「よし、壁トラップをアンロックっと……」
壁トラップは、文字通り壁を設置するトラップだ。
掘削トラップの真逆だな。
ダンジョンに掘削トラップで穴をあけたりもできる。
逆に、壁トラップを使えば、ダンジョンに新たに壁を設置したりもできるわけだ。
壁トラップは、建築なんかにも使える。
壁トラップはいろいろなことに応用が利きそうだ。
俺は壁トラップで、あることを考えていた。
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名前 シン・ラトップ
職業 罠師(サポート)
男 16歳
レベル 13
体力 398
魔力 284
攻撃力 63
防御力 65
魔法攻撃 71
魔法耐性 67
敏捷 73
運 81
スキル一覧
・針山トラップ
・トラバサミトラップ
・経験値貯蓄トラップ
・掘削トラップ
・トラップドア
・毒餌トラップ
・スライム床
・ダミートラップ
・壁トラップ
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