ハムを食う

ぱぱぱぱぱぱぱぽぱぱぽぱぱにぱぱぱぱぱぱ

お歳暮でもらいました

 最近はあんまりお歳暮とか贈らなくなったなって思います。少なくともわたしの家庭では。

 確かにCMでも見なくなった気もします。

 でもある時、遠い親戚からハムが届きました。

 なんかよくわかんないあみあみで縛られているあれです。でっかいハム。

 うーんどうしよっかなと。

 普通は少しずつスライスして食べるのかもしれまんが、付け合わせやらの工夫もなく、ここは一つハムを大胆に食らおうと思います。年甲斐はないのですが、ちょっとした子供じみた憧れみたいな。

 油は引かずに高温でジュワッと焼いていこうと思います。

 あらかじめ温めたフライパンにハムを乗せていきます。

 弾力がすごい。跳ねて踊っています。

 パチパチといい拍手も聞こえてきますね。

 キラキラテカテカした油が染み出して、フライパンの足音が食欲に歩み始めています。

 香ばしい香りも漂ってきました。桜チップ?

 いいですね。

 少ししたら火が通ってるかどうか切り込みを入れてみましょう。

 見てください。なんて素敵な肉の繊維でしょう。その隙間隙間から解けていくような柔らかさが見事に現れています。

 一つのミュージカルを見ているようです。

 人生を讃歌する彼が脳裏に浮かびます。

 ああ、だめだ。

 コレは追加公演の純白のまいが欲しいところ。

 とも思いましたが、無意識のうちに炊いていたようで。ちょうどいいタイミングで炊飯器の音が心地よく鳴り響きました。やっぱりミュージカルじゃないか!

 すでに悦に浸ってはおりますが、食べてみなければ。

 最初はかぶりつく予定でしたが、先ほどの筋繊維を見てしまっては矢張りそちらも鑑賞したいということで少し大きめな一口サイズに切ってみました。

 あつあつほくほくほろほろのハムを口いっぱいに。

 口の中でほどけては香ばしい香りと肉の旨味がダイレクトに伝わってきます。

 2撃目はそこに白米を。

 幸せです。

 生きててよかったよかったタヒぬまでハッピー。

 一口ハムを食べただけでコレだけ幸せになれるのでまだまだ人生捨てたもんじゃありません。

 送ってくれた親戚の方に感謝です。

 そうだ。お返しどうしましょう。

 そのままハムってわけにはいかないので私からはすき焼きセットを送ろうと思います。コレでお互いハッピーということで。

 そういえばどうして遠い親戚は突然お歳暮なんかを…

 あ、手紙が挟まっていました。

 ナニナニ…成程そういうことですか。

 そういう縁もあるもんなのかと不思議なこともあるもんなんだなぁと思いました。

 というのも、私の身内で今、育てている弟子みたいなもんがたまたま遠い親戚だったようです。

 奇妙な縁でもらったハムですが、とってもいいもんでした。

 贈り物はお返しで無限スパイラルを描いてしまい、互いに気を使わせてしまうことがあったりと何ともお勧めし難い部分はあるのですが時々はありかもな。とも考える私でした。

 以上、ハムをただ食うだけの話でした。

 ご一読ありがとうございました。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

ハムを食う ぱぱぱぱぱぱぱぽぱぱぽぱぱにぱぱぱぱぱぱ @indicator_no0

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ