第6話西川水族館 続き

 そのままクラゲのコーナーに寄る。

綺麗だな。なんか知乃がぼんやりとこの前で突っ立ってしまう意味が分かったかもしれない。

そして、そのままいろんな魚を見たりいろんなコーナーに入った。

最後のお土産コーナーに今はいる。

どれにしようか。

まぁ、知乃ならこれでしょ。

里美とかは意外とこういうのが好きなはず。

それに紅葉はわかりやすくこういったものが好きだって本人が言ってたなぁ。

男子勢ってどういうのがいいんだろう。

どういったものが好きなんだろうか。

こういうのは大胆にクッキーとかでもいいのかな。

別にそれでいいか。そう妥協してしまった。

そうしていると、里美が私を見つけた。

「おぉ。かなり考えてますな」

「わぁっ。里美かぁ。ちょっとびっくりするじゃん」

それよりも里美に何を買ったかばれないように買い物かごを隠す。

「えっ、なんで隠すのさ」

「だって、何を買ったかバレたくないもん」

「そういえば、ありがとう」

私は慰めてくれた時のことをお礼した。

それは里美はすぐに何のことを指して言ったのか分かってくれたのかすぐに返事を言った。

「それくらい、別に大丈夫だよ。それとさ今日の夜暇?」


 私、知乃は今みんなにお土産を選んでいる。

お姉ちゃんはこういうの好きそうだろうなぁから始めて選んでいる。

お姉ちゃんはわかるけど、他のメンバーは分からない。

それにあの大河さんって人はかっこいいな。

駄目駄目。私はお姉ちゃんのことが好きだし、もしお姉ちゃんに好きな人が出来たら応援するって決めてるの。

そんなことを考えていると大河さんが近くにいるのを見つけた。

聞いてみようかな?

でも、そんなことをしたら台無しになっちゃう。

「あっ、知乃ちゃん。どうしたの?」

「えっと――」

「あの、大河さんってどういうものが好きですか?」

勢いで聞いちゃったけど大丈夫かな?

「それ言っちゃって大丈夫なの?」

えっ?

「だって、さっきからすごく真剣な顔で商品とにらめっこしてるじゃん」

「俺は知乃ちゃんが頑張って選んでくれたものだったらなんでもいいよ」

そう言って、大河さんはどこかに行ってしまった。

そんなものかな。

それでも、私は大河さんに似合うようなものを買おうと思った。


 僕、翼は思い出していた。

自分の妹を想って泣いている黒田さんのことを思い出した。

自分の兄貴は人使いが荒い。

僕が15歳の時に煙草を買えなかった時がある。

基本そう言った二十歳を超えてからじゃないと買えないものを買えと大体命令してくる。

でも、買ってこいといつもいつも命令してくる。

多分、兄貴は分かって僕に買いに行かせる。

それで買えなかったら暴力を振るう。

親はいつも仕事が第一で僕のことを見てくれなかった。

兄貴と180度も違う性格を持つ黒田さん。

そうすると、ピコンとスマホが鳴る。

『おい、翼。酒買ってこい。酒だったら何でもいいわ。絶対に買ってこいよ』

僕は恐怖のあまりスマホを落としてしまう。

膝がガクガク震えてしまい、スマホを取ることが出来ない。

そうすると、前から鹿乃さんが来る。

「どうした、はい。スマホ――」

そう言って、鹿乃さんはスマホを拾い僕に渡そうとするとラインのトーク画面が見えてしまう。

「これって――」

「あっ、ありがとう。じゃあ」

そう言って、行こうとすると鹿乃さんに服を捕まれる。

「何、あのトーク画面。兄貴ってことは翼のお兄ちゃん?」

この流れは話さないといけないようだ。

「うん、鳥飼大和。僕の5上」

「じゃあ、二十歳だ」

「そう」

そうすると、鹿乃さんが僕の背中を叩く。

「何?」

「えっ、私はさ長女なんだよ。弟一人、妹一人でさ。だから、末っ子みたいな妹が羨ましかったんだ」

「だから、私は知乃ちゃんいいなぁって思ってた。翼は翼で音子ちゃんのこと羨ましいんだね」

「うん」

「あのトークどうするの?」

「でも、謝ってでも買わないと」

「本当に君はいつもそうやって人を優先するんだね」

「じゃあさ、今日家に来なよ」

「でも、兄貴の酒は・・・」

「別にいいんじゃない」

そう言って、鹿乃さんはどこかに行った。

はぁ、僕は別に買うものはなかったからそのまま外に出た。

外に出るとみんなが待っていた。


 「ふぅ、やっとみんな揃ったね」

そう言って、私はみんなを見渡す。

「じゃあ、今日は解散しようか」

「じゃあ、また学校で」

「うん」

「ばいばーい」

そう言って、みんなが歩き出す。

知乃は相変わらず私の手を握っている。

「ねぇ、知乃。お姉ちゃんは大河でも翼でも弟にするならどっちでもいいからね」

「ふぇっ!」

突然のこと過ぎて知乃は変な声を漏らした。

「そんな、何言って」

知乃は意外なことを言ってくる。

「お姉ちゃんも里美ちゃんなら私はお姉ちゃんになってもいいからね」

「なんで紅葉さんは……、あっそういうことか」

まぁ、私は人のことはなんでも考えていつだって動いている。

そうして、今日はなんで里美ちゃんに夜暇って聞かれたのか不思議だ。

一応「空いてるよ」とは言ったものの何をするんだろうか。

 

 私は今思い出したことがある。

私たちが猫だった頃に、よくいつも魚や餌を貰いにいく所に犬が住んでいた。

でも、私が猫として死んでしまう一週間前に死んでしまった。

その犬の名前はトミーちゃんだったかな?

その犬は私たちより大きい犬だ。

それでも私たちとも仲良く遊んでくれたし楽しかった。

多分、病死かもしれない。

大型犬は寿命が短いと言うから。

私は少し調べてみることにした。


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猫の転生先がボーイッシュな女の子だった‼‼‼‼‼‼ 心愛謎希 @sekahen-nazono

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