短編:真・サルカニ合戦~世界最後の日~

MrR

質量保存の法則もあったもんじゃねえな

 サルとカニの因縁の戦い。


 キッカケはサルがカニからカキをだまし取って殺害したのがはじまり。


 そこからカニはスーパーロボットを開発してサルに報復。


 サルもスーパーロボットを開発してカニに報復。


 さながら報復合戦となり、

 

 やがて――


 

 カキの種を動力源とする真カキロボットで戦うカニ。


 暴走した宇宙怪獣と一体化し、惑星サイズにまで巨大化したサル。


『そうか――これが進化――』


『進化なんだね――』 


 様々なサルの声が宇宙に木霊して、惑星サイズの体の彼方此方から大小様々な巨大怪獣が出現。


 どう見ても真ゲッ〇ー1……もとい、真カキロボットは50m以上ありますがとても小さく見えます。


 増援して駆けつけた、人型の上半身を乗せた真カキドラゴンは尻尾からドラゴンの頭長まで6000mぐらいはありますが相手の怪獣はそれ以上に大きいです。


 それでもカニ達は真カキロボット、真カニドラゴンで戦います。


 ビームが、ちょっとした衛星サイズのダブルトマホークが次々とサルが生み出す巨大怪獣を宇宙の塵に変えていきます。


『なぜだ!? なぜこうまで抗える!?』


『カキの力は――カキの力とは――』


 もはや敵の数が億単位に膨れ上がりそうな状況にもなって尚拮抗する戦い。 

 

 動揺するサル。


 そしてカニ達は理解していました。


『そうか――カキの示した未来とはそう言う事だったのか』


『カキを手放して前に進む事――それがカキの望んだ事だったんだ!!』


 と。


 カキは生命に進化を促すエネルギーでもあります。


 しかしカキは信じていました。


 生命の本当の意味での進化。


 それはカキがなくても前に進める事を――


『馬鹿な!? カキがカキによる進化を否定するだと!?』


『そんな事はありえん!?』


『こうなればカキもろとも滅ぼしてくれるわ!!』


 サル達はカキロボット達を滅ぼそうとします。


 しかし――


『こうなれば死なば諸共よ!! 覚悟はいいな、皆!!』


『『『『『おう!!』』』』』

 

 六体のカニの掛け声と共にカキロボットのエネルギーが急上昇していきます。

 具体的に言えば超新星爆発。

 宇宙創星出来る程のエネルギーがカキロボットから溢れ出していきます。


『これ程の力がカキに!?』


『その力を我が物にぃいいいいいいいいいいい!!』


 サルはそれを手に入れようと手を伸ばします。

 しかしカニはその力を開放しました。


 太陽系巻き込んで周辺の星系すら吹き飛ばしかねないエネルギーの開放。

 しかしサルとサルが生み出した怪獣だけを消滅させていきます。


 そして――


『こ、ここは!?』


 サルとカニが何処かの宇宙で永遠に死闘を繰り広げる空間にカニ達は辿り着きました。


 そして真カキロボットに乗るカニ達は悟りました。

 

『そうか――未来永劫の時の狭間で――俺達はここで戦うのか』


 そして真カキドラゴンに別れを告げて真カキロボットはその死闘の宇宙へと旅立ち、真カキドラゴンは元の宇宙へと戻っていきました。


 この戦い以降、カキを動力源とするカキロボットが歴史の表舞台に現れることはありません。


 サルとカキの太陽系の命運を懸けた生存競争も終わりを告げたのです。


 めでたしめでたし。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

短編:真・サルカニ合戦~世界最後の日~ MrR @mrr

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

同じコレクションの次の小説