第1ゲーム lucky?or unlucky?ガチャ(続)

皆が静まり返った時、GMは声のボリュームを上げてこや!こやや!と笑い始めた。

「あんらっきーめんばー 10 地野河悠真くん!残念だけど退場こや!」

悠真は怯えた顔で「ねぇちゃん…」と愛香の服の裾を掴み震えていた。

「ちょ…ちょっとまって!」

その時愛香が叫んだ。

「私、アンラッキー移動券持ってるだから!」

「だから、悠真くんから移動させたい?」

こぎつねくんは今までとは違う口調で言い当てた。

そしてまたこや!こやや!と笑った。

「愛香ちゃんがいいならいいこや。ただ一つだけ、アンラッキー移動券は使った人以外に当たるんだこや。」

こぎつねくんは、だから…と説明を続けた。

「このカードの所有権は愛香ちゃんから悠真くんになるこや。」

「別にいいから!そんなのどうでもいいでしょ!?」

愛香は喚き立て、悠真は怯え、葛葉は笑った。

だいぶきつい絵面だった。

「うーんならいいこや。“こややんルーレット!“」

と叫ぶと上からでかいルーレットが降ってきた。

「うわぁっ…」

今まで黙りこくっていた瑠璃川も大きな音にはビビっているようだった。

「スタートこや!」

その声とともにルーレットに書いてある自分たちの似顔絵(下手)に向けられた針がぐるぐると回り始め、少しづつ止まりかけていた。

そして、針が向いた先は

地野河 愛香だった。

「な、え…?」

みんななぜ愛香に針が向いているのか分からないようだった。

「な、なんで?お姉ちゃんには当たらないんじゃ?」

こぎつねは可笑しそうに言った。

「言ったはずこや。所有権は悠真くんに移動するって。」

「こやや!さぁ早速始めるこや!」

大きな音が鳴ると愛香の姿が消えていた。

「お…お姉ちゃん…?」

悠真が呼びかけてみたが声はかえってこない。

すると真理亜が「これ!」と叫んだ。

デカすぎて気づかなかったのかどでかいガチャがあり、その中に愛香がいた。

中には愛香と数個のガチャ玉。ガチャ玉はとても1人では動かせそうにないぐらいおもたそうだった。

それに、人と同じくらいの大きさで簡単に人を潰せそうだった。

愛香もこちらに気づき、走りよってきた。

「悠真!これ…ってなッ…」

これはなんなんだと聞こうとしたと同時にガチャ玉が上から降ってくる。

愛香は脱出を試みるが後ろからくるガチャ玉を避けるのに必死になっていた。

そして、ガチャ玉の取り出し口に繋がる穴に飛び降りた。

数分経っただろうか。

取り出し口から見覚えのある袖口が見えた。

悠真は嬉しそうに姉の元へと走り寄った。が、

さっきまで明るい顔をしていた、悠真の顔から笑顔が消えてゆく。

俺や葛葉、狐山なども走りよっていくと、

取り出し口には愛香の服、愛香だったであろうものと、紅い液体がドロドロとこぼれ落ちていた。

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