第3話 銃
さぁ、今日から訓練だ!
案内された部屋に行くと、バンッと大きな音がした。
そしてまた、バンッと音が聞こえる。これが銃の音か。
「花火さーん、落葉さーん。こちらが、新しく入った草野香さんです。この方に銃の使い方教えてくれる?」
ヘッドホンを外した二人の女性がこちらへ向かってくる。
「俺は落葉紅(おちばべに)。よろしくな。」
落葉さんは私と同じくらいの身長だ。155cmくらい?
女性だけど、俺って言ってるのね。
「私は花火瓜(はなびうり)!香ちゃん小さいね~!かわいい~!」
背が高い!2mは越えてるんじゃないか!?
そしてかわいい!
「花火さんも落葉さんも草野さんも同い年です。あと二人も同い年の人がいて、草野さん含めて5人、17歳の人がいるから、その人達とも仲良くしてね。」
そう言うと理事長は去っていった。
「ねぇねぇ香ちゃん!銃使ったことある??この銃はね特殊で、めっちゃ打ちやすいよ~!女性でも軽く打てるようになってるし、なにより弾は全部で10発入るの!」
「理事長が考えた特別な銃だ。使いやすい。力の弱い俺でも楽に打てる。」
へぇ~!すごいな~!でも、おもちゃの銃も打ったことない私に打てるかな。
「まずはやってみねぇとな。俺らが教えるから安心しろ。」
そう言われるとなんだかほっとする。
「まず、弾を入れるんだ。弾はこれ、ピンクのな。これを10発分入れたら、ここのレバーを引く。レバーを引くと打てる状態になる。」
「その状態になったら、ここのボタンを押して!そしたら打てるよ!」
なるほど、ボタンを押すことによって弾が発射されるのか。分かりやすい。
「まあとりあえずやってみようぜ。あ、ヘッドホンつけろよ。」
ヘッドホンをつけてみる。あ...意外と外の音が聴こえづらい。
落葉さんが大きな声で説明してくれる。
「いいか?あの的の真ん中めがけて打つんだ!いけ!」
打ってみる。うっ!的に当たらない!
「最初はこんなもんだろ。瓜ぐらいだ。最初から的の真ん中に当たるやつは。なっ、瓜!」
「まあね~!でも銃以外はむずい~!被害受けた人の保護とかは紅ちゃんの方が上手いじゃん!」
「向き不向きあるもんな。しょうがねぇよ。」
すると落葉さんは的を手前に持ってきた。私から3mくらい離れた距離。
「最終的な目標は、50mくらい離れてても弾が真ん中に当たるようにすることだ。この銃は、50mなら余裕で飛ぶ。」
「私と紅ちゃんは、今30mまでなら真ん中当たるようになったよ!」
がんばらなきゃ!私は3mの距離から弾をバンバン打った。的には当たるが、真ん中には当たらない。
弾を入れ替える方法も教えてもらった。
何から何まで教えてくれる。親切な方達だ。
「香ちゃーん!がんばって!」
くっ!あっ!!当たった!真ん中に当たった!
「やったぜ!よし、こっから1mずつのばして最終的な目標の50mに近づけるようにがんばろうぜ!」
「はい!ありがとうございます!」
「同い年なのに敬語使うのは無しだろ。あと、紅ってよんでくれ。」
「私も~!瓜って呼んで!」
「紅ちゃん!瓜ちゃん!ありがとう!」
この子達に教わりながらがんばって銃の腕を上げたい。心からそう思った。
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