最終話 愛してるよ♡

「拓哉くん、もう一回ワタシのこと気持ち良くしてぇぇ……」

「さっきたくさんしたじゃん。もしかしてまだ満足してないのか?」

「うんっ……5回じゃ満足できないよっ。もっとワタシのこと求めてぇぇ」

「ははっ、いいぜ。今日も朝までしような」

「うん♡」


 今日も俺はセフレとエッチしていた。

 もちろん生だ。

 避妊なんかしていない。


「なぁもし俺の赤ちゃんできたらどうする?」

「そのときは拓哉くんの赤ちゃん産んであげるね」

「ははっ、サンキュー」


 この女、もし俺の赤ちゃんできたら産んでくれるらしい。

 ははっ、最高だぜぇ。

 

 朝まで可愛いセフレと激しい運動をしたあと、俺はバイト先に向かう。

 ボーっとバイト先に向かって歩いていると、後ろから「拓哉……」と女性の声が聞こえてきた。

 ん? 

 今、後ろから女の声が聞こえたような……。


 気になった俺は後ろを振り向くと、真帆がいた。

 なんだ真帆か……。


 久しぶりに真帆の顔を見たけど、本当に可愛いなぁ。

 おっぱいも大きいし。

 あっ、そうだ、久しぶりにコイツとエッチするか。


「久しぶりだな、真帆。元気にしてたか?」


 俺がそう言うと、真帆は鋭い目になる。

 怒っているように見えた。

 ん? なんで怒ってるんだ?

 

 ふと真帆の右手に目を向けると、包丁が視界に入った。

 え? は?

 真帆の奴、なんで包丁なんか持ってるんだよ……?


 混乱している俺を無視して、真帆は口を開いた。


「アンタのせいだっ」

「は?」

「アンタのせいでアタシの人生はムチャクチャだぁ!! 絶対に許さないぞぉl!! たくやぁぁぁぁぁぁ!!!」


 真帆はそう言って俺に接近してくる。

 そして、グサッと包丁で俺の腹部を刺してきた。

 

「ぐはっ……」


 何してんだっ、コイツ。

 う、嘘だろ……。

 

 グサッと包丁で刺された瞬間、ドバドバと腹部から血が溢れ出す。

 身体はどんどん寒くなり、頭の中は真っ白になっていく。


 頑張って声を出そうとすると、口から『ぐはっ……』と真っ赤な血が出てきた。

 ダメだっ、声が出せない。

 体も自由に動かない。

 

 クソっ、どうしてこうなった……。 

 俺は何も悪いことしてないのにっ。


「絶対に許さないっ!! お前だけは絶対に許さないぞぉぉ!! たくやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


 真帆が何回も包丁で俺の身体を刺してくる。

 そのせいで俺の身体は血まみれだ。

 

 徐々に意識が薄れていく。

 視界も霞んできた。

 

 嫌だっ。

 まだ死にたくないよっ。

 誰か俺のこと助けてくれ……。






 ◇◇◇



【真帆 視点】



 イライラしすぎて拓哉を殺してしまった。

 その証拠にアタシの目の前には拓哉の死体が転がっていた。


 拓哉の死体を見て、アタシはガタガタと歯を震わせる。

 ひ、人を殺してしまった……。

 何やってんだろうっ、アタシ。


 取り返しのつかないことをしてしまった、と後悔してしまう。

 もう遅い。

 今更後悔しても結果は変わらないんだ。


「お、終わった、完全に終わった……」


 アタシの人生は完全に終わってしまった。

 全部、拓哉のせいだ。

 この男とセフレになってからアタシの人生はムチャクチャだ……。


 大好きな和馬にフラれて。

 学校から退学処分を受けて。

 生活費を稼ぐために知らないおじさんとエッチして。

 17歳という若さで妊娠して。

 そして、イライラしすぎて元カレを包丁で刺してしまった。


 これからどうすればいいんだろう?

 分からないっ。

 何分考えても答えは見つからないっ。


 はぁ……もうどうでもいいや。

 考えるの疲れたよっ……。


 生きるのがしんどくなったアタシは、学校の屋上から飛び降りた。


 ばいばい、和馬。

 愛してるよ♡






















 完結

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幼馴染彼女に裏切られた。 理亜 @ria012345

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