第26話 人妻

 今日もアタシはネカフェの防音個室で快適な生活を送っていた。

 パソコンをイジッたり、近くのコンビニで買ったお菓子やアイスをパクパクと食べたり。

 気になっている漫画を読んだり。


 そんな生産性のない生活を送っている。


「はぁ……」


 思わず深いため息を吐いてしまう。

 退屈だっ、本当に退屈だっ……。


 拓哉と空き教室の中でエッチしていたことが担任の先生にバレて、アタシたちは退学処分を受けた。

 退学したあと、近所の人たちが『あの子、学校の中でエッチしてたらしいわよ』と噂するようになった。

 色んな人たちがアタシに冷たい視線を向けてくる。


 家族もアタシの味方をしてくれない。

 毎日アタシに説教してくるの。


 それだけじゃないっ……。

 アタシはまだ17歳なのに妊娠してしまった。

 最初は和馬の子供かなと思ったけど、すぐにその予想は霧散した。

 違うっ。

 この子のパパは絶対に和馬じゃない……。

 そう断言できる。


 和馬とエッチするときはちゃんと避妊していた。

 『生でエッチしようっ』と誘ったことあるけど、『そういうのは大人になってからな』と断られた。


 将来のことやアタシの身体を心配して生でするのはダメだと判断したんだろう。

 しっかりしてるな、和馬は……。


 パパより年上のおじさんやフリーターとエッチするときもちゃんと避妊していた。

 イケメン大学生三人を同時に相手した時もちゃんと避妊はしていた。


 お金持ちのおじさんが『10万円払うから生でヤらせてくれ』と言ってきた時もちゃんと断った。


 けど、拓哉とエッチするときは避妊してなかった。

 学校を退学するまで毎日アイツと生でシていた。

 間違いない、この子のパパは拓哉だ……。



 今思うとアタシの人生がムチャクチャになったのは拓哉のせいだ。

 拓哉がいなかったら和馬と幸せになれたのに……。


 そうだよっ、全部コイツが悪いんだよっ。

 アタシは何も悪くないっ。悪いのは拓哉だっ!

 許せないっ、この男だけは絶対に許せないっ……。

 確実に殺してやるっ!


 拓哉を殺すために、アタシは近所のホームセンターで包丁を購入した。

 殺すっ、この包丁で確実に拓哉の息の根を止めてやる。


 包丁で拓哉の身体を刺すところを想像した途端、思わずニヤニヤしてしまう。

 

 あぁぁ~、楽しみだなぁ~。早くアイツをボコボコにしたいよっ~。












 ◇◇◇




【拓哉 視点】



「ねぇ俺と旦那さん、どっちの方が気持ちいい?」

「それは……」

「正直に答えてくれないと動くの止めるよ? ほら早く答えて」


 俺がそう言うと、相手は素直に答えた。


「拓哉君の方が気持ちいいわ……もう旦那じゃ満足できないっ」

「ほんとに? 嘘言ってない?」

「嘘じゃないわ、本当よっ。もう拓哉くんじゃないとダメなのっ! だからもっと私のこと気持ち良くしてぇぇ……」

「いいよ、今日もたくさん相手してあげるからね、美香みかさん」

「嬉しいぃ♡」


 この人の名前は美香みか

 現在は29歳らしい。


 俺と美香さんはSNSで仲良くなったんだ。

 しかも、彼女は人妻なんだ。


 美香さんはまだ旦那さんのこと好きみたいだけど、身体は俺の方が好きらしい。

 もう旦那さんじゃ満足できないみたいだ。

 

 今日も美香さんから『拓哉くん、エッチしよう』と誘ってきたから、こうして彼女の家で肌を重ね合っているんだ。


 人妻と生でヤるの最高だなぁ!

 めっちゃ興奮する!

 美香さんも興奮しているみたいだった。


 美香さんは超がつくほどの美人だ。

 しかも、結構おっぱいデカいんだよな、この人。

 まぁちょっとだけお腹が出てるけど……。

 所謂ぽっちゃり系ってヤツだな。


 ったく、だらしねぇ身体だな。

 ダイエットしろよ、ダイエット。

 まぁ俺はぽっちゃり系も好きだけどさ。


 あっ、ちなみに、俺が今まで出会ってきた女の子の中で一番良かったのは……やっぱり真帆だな。

 アイツはめっちゃ可愛いし、スタイル抜群だし、他のセフレより体力あるし。

 最高の女なんだよな。

 まぁビッチだけど。

 

 真帆か……。

 アイツ、今何してんだろうな。


 学校を退学したあと、真帆とは一度も会っていない。

 最近はメッセージのやり取りもしてないなぁ……。


 久しぶりに真帆とエッチしたいし、連絡してみようかな?

 なんてこと思いながら人妻とたくさんプロレスごっこをした。

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