第2話
今夜のディナーは、彼とふたり。
私の恋の最後の晩餐?
食べ慣れないフランス料理に、
苦戦するナイフとフォーク。
慣れない重い雰囲気に、
苦戦する会話。
いつものように、弾まない会話。
キレイな盛りつけ、
美味しい料理。
食べ終わったお皿を見つめる私。
お皿の上に、何もない。
あなたの中にも、私はいない?
最後のデザートの時間。
とうとう、あなたは、切り出しました。
今夜は、恋の終わり記念日。
私の量子コンピューター。
私の失恋シュミレーター。
なんて高性能なのかしら。
私たちの3%。
しっかり計上してました。
私に差し出された、あなたの手。
別れの握手をいたしましょう。
開いたあなたの手の中に。
小さく光るそれは何?
「助手の給料は安いから、小さな石でゴメンナサイ。僕と結婚してください」
今夜は、恋のエボリューション。
私たちの婚約記念日。
彼は、指輪を買うために、
毎夜、深夜のアルバイト。
あわてて帰るその姿。
全ては、この
私の量子コンピューター。
全て分かっていたかしら?
白状しなさいコンピューター。
彼に何か言われたの?
白状、始めるコンピューター。
彼に、入力されました。
全ては、この日のサプライズ。
この恋、ホントの幸せ予測。
何度も計算100%。
これ以上は、いませんョ。
3%の正体は、サプライズ効果を期待して、彼が、計上してました。
私の量子コンピューター。
私の失恋シミュレーター。
予想以上に高性能。
あなたの恋を応援します。
今夜も空は、曇り空。
星の見えない、暗い空。
でも…。
私を未来へ導く星は、私の指で光ります。
( ꈍᴗꈍ)
この後、失恋シュミレーターは、幸せシュミレーターと名前を変え、政府から公開されました。
少子化対策に、役立ったかどうかは…。
終わり。
失恋シュミレーター @ramia294
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