第5話:入ってろ2。試合終了はたして結果は

「入ってろ」


毛利がリバウンドを取りダンクをしようとする。


「毛利ー100年早いわー」


“バチッ”


近藤の手がボールに当たりボールが弾かれダンクに失敗する。しかし


「入ってろ2」


“ガコッ”


後ろから安田が走ってきて強引にダンクを決める。体育館が一瞬静まりそして次の瞬間、


「うおおお」

「ナイスシュート安田」


歓声が一気に湧く。


「これは2、3年厳しくなってくるぞー」

「はっ、急いで戻れ!」

「えっ」

「速っ」


“ダン”


彼らの後ろでそう聞こえた。


「あ、まーた5人抜き出来ちゃった」

「いつのまに」

「速すぎてわからなかった」

「まさか安田並みのスピードの持ち主がいるとは」

「はぁはぁはぁ」

「まだあるぞー」

「いけるぞ2、3年」

「頑張れ1年。2、3年をここまで追い詰めたのはお前らが初めてだ。このままの勢いで勝っちまえ」

「1年。1年。1年」

「2、3年。2、3年。2、3年」

「みんな、今のは忘れて集中しよう。点差もあるし残り時間も少ない。時間を使ってじっくり攻めれば負けることはない。さあ行くぞ!」

「おう」

「うおっ」

「マジかよ」

「ゾーンプレス⁉︎」

「武田ー取ってくれよー」


前田はパスをもらったと同時にパスをする動きをした。それを止めるような感じで山田が跳ぶ。


「跳ぶなー山田ー」

「え?」


その瞬間前田が一気に加速する。


「サンキュー」

「よーしナイス前田」

『ちっ戻り速いな。まあその分じっくり時間をかけて攻めればいいか』


“ビュッ”


「うおあぶねー」


山田がスティールを狙ってきたがそれを前田がかわす。そしてそのまま、山田のことを抜く。だが山田が後ろから入ってきて


「返せ」


前田のボールを弾きスティールに成功する。そしてそのまま山田が走りシュートを決める。


「これで点差は6点差だー。わからなくなってきたぞー」

「くっそ」

「前田。俺に任せろ」

「毛利、お前なんか策あんのか」

「ふっふっふ。まあ前田しっかりパス通せよ。ゾーンプレスの時ヘルプに行くから、そん時パスくれよ」

「わかった」

『なんか策あるなら信じるぜ毛利!』

「くっそ抜けねぇ」

「へい、前田」

「毛利!」

「走れー新田!安田ー」


新田と安田と毛利が同時に走り出す。そして毛利がドリブルで突っ込みダンクをしようとする。


「毛利ズダーーーーンク。と見せてパーーーース」

「決めろよ新田!」

「止めろ田中」

「何⁉︎」


新田はシュートを打たなかった。フェイクだった。


「跳べー安田ー」

「これが俺ら3人のコンビ技中外中アリウープダーーーーーンク」


“ガコン“


「よっしゃー初めて出来たー」

「いや初めてなんかい」

「残り時間1分半。点差は8点。いけるぞこれ」

「絶対勝ーーーーーつ」

「おう」

「ディフェンスしっかりやっていこうぜーー」

「いいねいいねー。これだからバスケはやめられないんだよ。パスくれ山田」

「おう」

「安田ー止めろー」

「そんなディフェンス生ぬるいねー。よっ3ptじゃー」

「早い」


”パシュッ“


「マジか⁉︎」

「5点差!まだわからないぞ」

「安田、やり返してこい」

「そのつもりだ」


安田が山田を抜く。次に田中を抜きそのまま中に突っ込んでいく。


「こいやー」

「ふん」

「超える!この2人を」


安田は3年が2人いるにもかかわらずそのままシュートをしようとした。


「安田戻せバカ」

「何⁉︎」


安田は空中で2人を躱しそのままバックシュートをする。だが、


「決めさせるかよ」


近藤がボールを弾きそれがボードに当たり山田が取る。


「はぁはぁはぁちっ」

「へっ」

「一本決めるぞー」

「おう」

「ディフェンスだーオールコートで当たれー」

「おう」

「近藤」

「岸和田さん」

「横田ー」

「ふん」

“ダン”


山田が近藤に渡しそれを岸和田に渡し最後に上にパスを上げ横田がダンクをぶちかました。これで点差は2点差となった。


「残り30秒だー」

「ヤベェ負ける」

「くっそまだゾーンでくる気かよ。いて。押してるだろ」


“バチん”


「取られた、まずい」

「すぐ戻れー」

「残り10秒」

「横田」

「これで終わりじゃぁ」

「ふん」

「ナイスブロック、武田」

「リバウンドー」

「ふん」

「岸和田⁉︎まずい」

「止めろ毛利ー」

「うおおお」

「パスだ」

「打て田中!3ptだ」


“パシュッ”

“ビーーー”


「カウントー」

「うおおおおお」

「うそ、だろ」

「整列してください」


喉へ声を飲んで泣いている音が聞こえた。


「毛利...」


そこには地面に座り込んで泣いている毛利がいた。


「整列だ毛利」

「ああ、わかってる」

「気おつけ!礼!」

「ありがとうございました」

「いやー疲れたなぁ」

「負けるかと思ったぜ」

「で、毛利は大丈夫か」

「おそらく大丈夫だと思います。それにしても先輩たち強いですね」

「そっか大丈夫ならよかったわ。まあお前らも十分強いけどな。チームワークばっちしだったし」

「俺ら小学校からバスケやってて、一緒のチームだったし一緒の中学だったんで仲がいいんですよ。だからチームワークが良くなっていたんです」

「へーそうか。そりゃあいいな」

「はい。とにかくこれから1、2年間よろしくお願いします」

「ああ。こちらこそよろしくな。じゃあ今日は後他の1年対2、3年の試合見て終わりだからもし試合の間練習したいならあっちのコート使っていいぞ」

「はい」

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バスケの王者 まっすん @satoukouzi

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