嘘をついたところで、その言葉すら耳を傾けてもらえなかった。

 LGBTだのダイバーシティだのいう地に足のつかぬ言葉だけがひとり歩きし、普通であるよう、枠からはみ出さぬよう汲々とし、そしてはみ出た者を排除することに青春の全てを注ぎ込むことを強いる、そんな社会だけがずっと健在であり続ける。
 現実は小説よりホラーかもしれない。