第2話⁂吾郎の死⁂
七十歳の成金婆さんから、ガッポリ金をせしめようと婆さんの豪邸を目指す吾郎。
”ピンポン” ”ピンポン”
「トキさん出てくれないかい?」
「ハ~イご主人様」
「あの~?どちら様ですか?」
「アウ○ィ中野支店の田中です」
「アウ○ィ?自動車?……チョットお待ちを……ご主人様、車のセールスの方がお見えですが?」
「アウ○ィ?嗚呼……本当はセールスマンなんかサッサと断りたいけど……アウ○ィは好きな車ね。御通しして!」
苦労の甲斐もありやっとの事、御目通りが叶い応接室に通された吾郎。
「ああ!そこに座っておくれ!」
「はい!有難うございます」
ニコニコ(*^_^*)百合子に笑顔を向けた吾郎。
すると…この成金婆さん百合子は、余りの男前に ビビビッ⚡⚡⚡ ビビビッ⚡⚡⚡ビビビッ⚡⚡⚡まるで雷にでも打たれた様な激しい稲妻が体中に走った。
(ああああああ……何という美しい男💓😍💘ああああ……この胸の高鳴り……嗚呼……抑えきれない💜💚🧡)
「アウ○ィ」は外車の中でも好きな方なのよ。だって~丸が四つ連なっているでしょう。分かり易い。あと「BMW」も好き「BMW」とアルファベットで書いてありロゴもマルの中に青と白が入っているので直ぐに分かるわ。それでは説明して頂戴」
「アッはい!それでは説明させて頂きます。あの~?まず、この『アウ○ィAG』は、ドイツの高級車メーカーバイエルン州インゴルシュタットに本社を置く。親会社で・・・ペラペラ・・テクノロジー・・ペラペラ・・・・・コンパクトなAudi A1からフラッグシップのAudi A8まで・・ペラペラ・・・高品質を誇るAudiの新車・・・ペラペラ‥とまあこの様に全てにおいて素晴らしい外車です」専門知識を使っての説明に、一段と目を輝かせる百合子。
(エエエエエエ————ッ!凄~い!超ハンサムで背広姿も様になっていて、スタイルも抜群。更には知的!……ああああああ!私のタイプ!……それよりAGって何?それから……バイエルン州インゴルシュタットってどこ?……テクノロジーって若い人がよく口にするが、意味わかんない?『コンパクトなアウ○ィA1からフラッグシップのアウ○ィ A8まで』って言われても……第一AIって何?アアアア分からない?解らない?「フラッグシップのAudi A8」それって何よ~?益々解らない?何でも横文字使えばいいってもんじゃないわよ?……それでも…何かしら……知的でカッコイイ!)メロメロ😍💜💚 メロメロ💖💓🎶
実は…前の晩に妻に入れ知恵されて、しっかり手の平に書いて貰いカンニングしていた。
(はっは~ん?道理で目が泳いでいると思ったら……。そして…妙に手の平と睨めっこしているので……何かしら……とんでもない持病の持ち主か、占いに興じているのかと思った?)
こうして納車までの期間幾度となく豪邸にお邪魔していた吾郎。
何回か豪邸にお邪魔して、何とか妻と約束した「あの婆さんを色仕掛けで騙して金をぼったくって来な!分かったな?」(あの誓いを果たさないと)と思っては見たが四十歳も年上のお婆さんとのエッチは、さすがに抵抗がある。
(母より十五歳も年上の、死んだばあちゃんと幾つも変わらない婆さんを、女と見る事なんか出来な~い……ああああ……トッホッホッホ😰……どうしよう?)そう思い浮かない顔で百合子の住む豪邸に向かった。
”ピンポン” ”ピンポン”
「ハ~イどうぞお入りください」
”ガチャン”ドアを開けて中に入ると、見知らぬ女性が立って居た。
「あっあの~?この家の主で、百合子さんをお願いしたいのですが~?」
「ああああ……私だよ……私が百合子だよ」
「エエエエエエ—————————ッ!どこが百合子さんですか?まるきり別人?」
「ああああ……私全面改造ってヤツ!全面整形を施したのよ。フッフッフッフ!」
(嗚呼!アア!妻八重子より千倍綺麗!😍💘アア……ドキドキ🧡💚……ああああ……ドキドキ💜💘💞ミイラ取りがミイラになっちゃった!)誘惑して金をぼったくろうと思ったが、反対に魅力に負けてしまい誘惑されてしまった。
「ああ……美しい百合子😍💘🧡💚」
こうして……百合子の魅力に負けて家に帰らなくなってしまった。
一方の妻八重子は、いつまで経っても帰らない夫に不信感を抱いて、百合子の豪邸に向かった。
”ピンポン” ”ピンポン”
「どちらさま」
「ああ……私は、吾郎の妻の八重子といいます」
”カチャカチャ”「どうぞお入り下さい」
「うちの……うちの夫はどこですか?」
「どうぞお上がり下さい」
こうして応接室に通された八重子。
「うちの……うちの……夫が行方不明なんです。ご存じありませんか?」
「ああ……離婚して、この私との結婚を望んでおります」
「ハァッ?まったく藪から棒にな~んて事言うんだい。失礼しちゃう。この厚塗りメギツネめ!ああ……?それより……あんた……だ~れ?」
「オッホッホッホ!あんたみたいなブス私の比では無いわ。フン!私はこの家の主で百合子と言う者だ」
「ああ……悪かったねブスで!それより…あの高齢のお婆さんは……もう死んだ?」
「今は人生百年時代、何が婆さんだ。失礼な~。私がその婆さんとやらだ!」
「エエエエエエ————ッ!どう見ても四十歳ぐらいにしか見えない。でも……まさか、もう初潮も上がった、四十も年の離れたおばあさんとの結婚は無いわ~」
「年齢は関係ない。愛!愛!愛が有れば、チッ!何が婆さんだ。失礼な!それでは真実を吾郎に聞いて頂戴!」
その時、二階から降りてくる吾郎の足音が、トントントン。
「ああ……八重子どうしたんだい?」
「あんた虎男もいるのに離婚は無いよね?」
「俺さ~やっぱりお前と離婚するわ。だってさ?ここに居たらパチンコに行っても怒らないし、第一百合子はお前よりず~っと綺麗だし……だから……離婚ね!」
すると…透かさず百合子が言い放った。
「ああ……一般的な慰謝料の相場三百万円くらいだと思うけど、五百万円払うからハイ!離婚ね!」
「何が離婚だ、人の夫を奪いやがって~!許せぬウウウウッ!一度家に帰って来て話し合いましょう?」
こうして一旦話し合いの為家に戻った吾郎。
◆▽◆
吾郎が目を覚ますと、大変な事になっていた。
ベッドにぐるぐる巻きに縛られ、身動きが取れなくなっていた。
散々甲斐無しと吠えていた八重子だが、本心は心から夫吾郎を愛していた。
だから……逃げないように縛り付けたのだった。
実は前の晩に味噌汁に睡眠薬を入れて、ちょっとやそっとじゃ起きないようにして夫が逃げないように、ぐるぐるに縛り付けた。
「お~い!八重子トイレ……トイレに行きたい」
その時このボロアパ-トが凄い揺れに襲われた。
二〇一〇年三月某日早朝七時三十五分頃に都内に地震被害発生、二名が亡くなった。
一名は高齢の八十代の男性で足腰が悪く逃げ遅れた模様。そして、もう一名が吾郎だった。
あいにくボロアパートだったので、ペッシャンコに潰れ炎に包まれ跡形もなく燃えてしまったが、八重子と虎男は何とか逃げ切り助かった。
いや~何とも運の悪い男、たまたま八重子が逃げ出さない様に、ぐるぐる巻きにした次の日の朝に地震に見舞われるとは……。
んまぁ~?凄い地震でボロアパートは倒壊、炎に包まれたので、詳しい取り調べは無かったが、八重子にしたら……自分がベッドに縛り付けたので、疑われるかも知れないとビクビク。
実は…八重子は、咄嗟の地震で虎男を連れ出すので精一杯で、夫まで手が回らなかった。こうして吾郎は死んだ。
命辛々逃げ切ったが、こんな街には一分一秒たりとも居たくない。こうして……夜逃げ同然でこの街から去った。
それでも…散々苦労掛けた夫の事を「フン!ざまあみろ!」
どこかで……八重子がそう言い放ったような……😱
イヤイヤ……?無い!無い!😜
おしまい
珍探偵金田一コナン続編 あのね! @tsukc55384
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