4話……?デート(2)

 待ち合わせの時間も近づいてきて、少しだけペースを早めて歩いた。

 元々体力がないせいか、すぐに息が苦しくなってしまった。

「っは…はぁ…つ、疲れた…」

 まだ少し熱があるのか、頭がぼーっとしてきた。

 大丈夫だろうか、?

 とにかく今は、急がないと…。

 そう思ってから一歩、横断歩道に足を踏み入れた──

──キキーッ

「え、?」

 俺に向かって突っ込んでくるトラックを俺はただ、見つめることしかできなかった。

 足がすくんで、動けない…

──ドンッ

 意識が遠退いていく。

 あー…。天音、待ってるだろうな、早く、行かないと…。

 でもどうしてもこの眠気には抗えなくて、俺は静かに目を閉じた。

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「ふんふんふーん♪楽しみだな~」

 心を踊らせながらデートの準備をする。

 お気に入りの鞄に洋服、ヘアアレンジはいつもよりも凝ったものにしよう。

 葵君は気がついてくれるかな、?気づいてくれたら嬉しいなぁ。

 急に遠出にしちゃったけど、了承してくれて良かった。

 ほんと、葵君優しいなぁ…。

 スマホで時間を確認すると待ち合わせの時間まであと30分ほど。

 ついでに位置情報アプリを開くとどうやら葵君はもう家を出たみたい。

 いくら近いとはいえ、私も早く出ないと…

 急いで残りの準備を済ませ玄関に行く。

「うん、服は大丈夫…髪も崩れてない…」

「…って、靴どこに仕舞ったっけ?もー、履こうとしてたやつないや…」

 靴棚を開けてみても見当たらないし、奥にでも仕舞っているのを忘れていたのかもしれない。

「仕方ないから別の靴履くかぁ…」

「なんか今日はついてないなぁ」

 なんか嫌な予感するんだよね…。

────────────────────

「…遅い」

 葵君、とっくに家出てるはずなのにな。

 ずっと立っていたせいか足も痛い…。

 仕方なく位置情報アプリを開こうかとスマホのロックを解除したとたん、葵君から電話がきた。

「もしもし葵く…」

 もうすぐ着くのかな?という期待は、一気に打ち砕かれてしまった。

「……え、?」

 葵君が事故にあったと聞いた途端私は、とにかく走った。

 病院の名前すら聞かずに、嘘であってほしいと願いながらとにかく走った。

 体力には自信がある方なのに、こんなに息が苦しいのはなんでだろう、?

 どうか、葵君が無事でありますように…。

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 最後まで読んでくれてありがとうございました。

 投稿が本当に不定期になってしまっているのですがこれからも見てくださると嬉しいです。

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【祝一万PV!】氷姫と呼ばれている最強(最恐)マドンナが実はただのコミュ症で、無自覚ヤンデレということを俺以外知らない……? 風鈴 美鈴 @senrin

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