第2話

しんは頭の中で様々な謎が浮かんでいた。しかし、頭の声よりも先に先生が言った。皆も知ってる通り。みゆさんは少し体が弱いから皆は優しく接してるあげるように。じゃあ、空いてる席に座ってくれ。先生はいつもよりニコニコしながら言っていた。気持ち悪いというクラスの女子の声が聞こえる。そうだ。先生だけでなく、クラスの多くの男子がニヤつきながら、さゆを見ていた。確かに可愛い。美人。美脚。分かる。俺も昔はそれに騙された。だが、俺は知っている。みゆ。彼女はとてつもなくいじわる。それも超がつくほどだ。昔は、毎度毎度みゆが俺をイジメて、俺はさゆにいやされていた。そんな苦い思い出を思い出しながら、朝のホームルームは終わり。みゆに色んな謎を聞きに行こうとしたら、ホームルームが終わった瞬間に他の男子がわぁっと群がってきて、すぐに周りは人でごった返した。俺は。こんなに人が来るところじゃ喋れないよな。とさゆに声をかけると、さゆは、そうだね…と少し暗く答えた。俺は聞いてしまった。さゆは今日みゆがこの学校に転校してくること知ってた?と。さゆはすぐに答えた。知らないよ。私がそんなこと。もう家族でも無いんだし。さゆは少し悲しそうだったが、少し嬉しそうでもあった。それは姉妹の姉が帰ってきた喜びだったのか、それとも。俺は、今日はもう話しかけるのは無理だなと思い、放課後に諸々の経緯を聞こうと思っていた。しかし、俺が話しかける前にみゆは俺にコンタクトを取りに来た。それは昼休み。まだ周りに人が多く集まってる中。みゆは俺に一つの小さな紙切れを渡しに来た。それも周りから何をしたのか気づかれないほどに上手く。一瞬、俺が本当にみゆが落とし物したのかと思うほどに。そして、その紙切れには、「放課後に、校舎裏へ。」という文字が書かれていた。こんなラブコメ漫画やアニメにある展開が現実に!と驚いたが、まぁそれは置いといて。みゆが俺の事をしっかり覚えていたことのほうが驚きだ。正直、さゆほどではないが、幼馴染ではあったが、何年も会っていなかったし、正直、俺は忘れようとしていていたから。いや、でもなんか怖いな。一応、さゆに伝えておこっかな…まぁみゆの事だし、さゆには後で伝えればいいか。そして、放課後になり、さゆが俺のところまで来て、帰ろうしん。と言ってくれたが、心苦しいが断った。スマン。今日はこの後、用事あるから。今日は別の人と帰ってくれさゆ。とさゆに伝えた。珍しそうな反応はされたもの怪しさはなかったようだ。では、そろりそろりと校舎裏へ、俺は向かった。そして、校舎裏に五分待った。十分待った。三十分待った。六十分待った。遅い!なんであいつは来ない。俺はこんなに律儀に待ってるのに。みゆの連絡先も知らないから、何かあったのかも分からないし、普通に忘れてるのかもしれないし、もう少し待ってみるか。そして、気づいたら、もう六十分待っていた。流石に俺も帰ろうと思ったとき、後ろから、ゴソゴソっと音がした。そしたら、そこからみゆが出てきた。え?あっ?どこにいたの?って聞いたら、みゆは大笑いしながら、ずっと居たよそこに。と言い始めた。コイツはな、なんと俺が校舎裏に来る前からここにいて、俺がどれだけ待つか、校舎裏の物陰に隠れて見ていたのだった。コイツ!数年会ってなかっただけで、何も変わってねぇー!ふざけんな俺がどれだけ待ったと思ってるんだよ。と怒鳴りながら言うと。みゆは、久しぶりだから。ちょっとからかってあげようと思って、何も変わってないね。しんちゃん。と怒っている俺でも、ほっこりするぐらいきれいな笑顔を見せてきた。その後、場所を変えて、校舎裏から近くのフードショップに行った。俺は、正直めちゃくちゃ起こっていた。まぁあんなことされた後で、冷静な状態の方がおかしい。俺は少し、イラつきながら聞いた。なんでお前がここに戻ってきたんだよ。みゆ。お前は母方の方にいってるんだろ。みゆとさゆは双子の姉妹でそれはそれは美人で、美人姉妹なんて呼ばれていた。しかし、親の離婚をきっかけに、みゆは母に、さゆは父に別れ、みゆは母に連れられ、この街を去った。さゆは父と共にここで暮らして行くことを決め、みゆは母に連れられ、芸能活動を始め、モデル活動をしているが、最近はコスプレーヤーとしても活動していると聞いている。しかし、今日の学校で、聞いた話だが、松岡みゆは最近芸能活動休止を発表していたらしい。それも今日先生が紹介するときは、病弱のように説明していた。俺と遊んでいた時は、そんなこと一切無かった。わんぱくな少年よりも少年をしている美少女だった。それが今少ししょんぼりしたふりをしながら、目の前にいる。これはどう考えてもおかしい。みゆは俺に語り始めた。最近、少し芸能活動をしてて疲れて来ちゃったから、病弱って事で苦手な体育は休みながら、変な記者とかの来ない、田舎の高校に転校してきたってわけ。俺は芸能人の辛さみたいなモノは分からない。だから。へ〜っと返すことしかできなかった。俺はその後も色んな疑問を投げかけたが、みゆはあまり自分のことは話したがらなかった。正直、この会わなかった数年。大変な思いをしながら、俺の知らない事をいっぱいしてきたんだろうと思うと、少し可哀想になってきた。コイツにも優しくしようかっと思ったが、さっきの件もあるから。信じきれないが、優しくは接してやるか。詳しい事情は分からないが、さゆとはどうだ?仲いいか?と聞くと、今日一度も見せたことのない暗い顔をしながら、あんまり良くないの。と悲しげに言った。姉妹の仲と言うのは兄弟のいない俺には理解ができないが、そういう時もあるんだろう。姉妹は二人で一人ではなく、一人とひとりだからな。まぁなんかあったら俺がさゆとの橋渡しになってやるよ。っと言ってやった。みゆは微妙そうな顔だったが、顔にはまだ少しの笑顔が残っていた。もうすぐ七時になりそうだった。俺は少しみゆを送るために一緒に帰ることにした。帰る途中も少し話した。この数年何していたか、どれだけ俺がさゆと仲良くなったのか。そんな事を話していたら、もうみゆの家の近くについていた。そこで、バッタリと、それは運命的に、いや必然的に。神様が呼んだのか知らないが、少し先の道にさゆが立っていた。さゆは俺とみゆが帰ってるのを見て、おどろいてはいたが、こうなることを知っていたかのような目線で俺達を見ていた。俺はこの状況を見られた時に、まずいと思った。何を隠そう。俺はこの美しい美脚を持った松岡桜優の事が好きで告白をしようと思っているからだ!クソ。どうしょうと頭を回転させる前に、隣にいたみゆがヒュッと飛び出し。みゆに、俺には聞こえない声で。○○○○○○○○○○○。と言っていた。その後、姉妹揃って、俺にバイバイと言いながら、帰っていった。何が起こっているのか分かんねぇと思いながら、俺はすぐに家に帰った。俺はこれからの生活はどうなってしまうのかと思いながら、床につくのであった。

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君は…… Noo @Noo58637

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