これは、谷崎潤一郎の文學宣誓なのだな、と気がつきました。
私はこういう、失われつつある日本の美、陰翳をよいとおもうし、それを表現してゆくのだ、という。
この文章については、中上健次のものを読んだことがあるが、触れない。
丸谷才一のもあるが、触れない。
私とは、また見方がことなるし、あまり意味があるとはおもわれぬから。
おもしろいのは、日本美を礼讃しながら、その文章の骨法が、欧米の文章の翻訳にあるところ。だから、非常に読みやすいわけでもありますが。
ある意味、だからこそ、日本美に傾倒したともいえそうです。
見方をかえれば、いま日本語で表現するわれわれに直結してるともいいえます。
比喩も巧みですし。
その美に傾倒した骨法は、まだまだ生きて、活かせるものでしょう。