異世界召喚の報酬『地球への帰還』について

@kurage_peppermint

第1話

~起~

異世界召喚の報酬『地球への帰還』は、報酬足り得ないと考えられる。


多くのファンタジー作品において、異世界召喚とは…

①被召喚者に事前に承諾を得ていない

②被召喚者無しにはどうにもならない国家レベルないし世界レベルの危機的状況がある

…と言った事情がある。


つまり、被召喚の同意無しに、魔王なり邪神なり侵略的な隣国との戦力として、召喚され、問題解決の報酬として『地球への帰還』を提示される。

そして、ほとんどの主人公はノリノリないしシブシブ、それに同意してしまう。


~承~

ここでこれを仕事として考えてみよう。

見知らぬお偉いさんにいきなり呼び出され、治安のアレな海外に出張に行って欲しいと依頼される。しかも、仕事内容は民間軍事会社ばりの傭兵だ。当然、命を落とす危険がある。チートの代わりに、先進国の最新の武装をつけよう。報酬は『日本への帰還』だ。

依頼を受ける人がいるだろうか?


もっと簡単な依頼内容で考えてみよう。

アナタはバイトなり就職なりの面接をしている。報酬は『帰宅できる』だ。


~転~

ここで考えて欲しいのは、被召喚者の召喚時の服装ないし、手荷物だ。

多くのファンタジー作品において、裸で召喚される描写はない。つまり、身に付けているものは、被召喚者と一緒に世界の壁を超える。リュック一杯の金貨ないし貴金属は持ち帰ることができると言うことだ。


召喚を行った国家や宗教が、衣食住や身の回りの世話をしてくれる?それは経費であり、報酬ではないだろう。


~結~

異世界召喚の報酬『地球への帰還』は、報酬足り得ないと言えるだろう。

もし読者が異世界召喚されたならば、これを思い出して欲しい。

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