遺影

僕は目の前をさえぎるものがないビルの屋上にいた。

ここから見える景色はとても綺麗だ。

夕日が近く感じる。

ふと生きる意味が分からなくなって、

今ここに立っている。

最後に綺麗な景色が見れてよかった。

体が宙に舞い地上へ落下していく。

その時、立ち止まっている人と目があってしまった。

その人物は僕だった。

突然、昔の記憶が呼び起こされる。

そういえば数年前に同じことがあったな。

僕は地上で空を見上げ、ビルから落ちてくる僕を見ていた。

落下してきた僕は体の中に吸い込まれていったけ。

そんなことを思っている間にどんどん

地面は近くなり、僕を見ている僕の中へ

また吸い込まれていった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

遺影 梅田 乙矢 @otoya_umeda

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ