第2章 魔獣使いたちが失ったもの

第10話 新聞記事

『巨大ガエル 昼下がりの市場を襲う』


 昨日午後3時24分、ジェノベ市中心部の噴水広場の地面に突如大穴が空き、体長15メートルのオオサマガエルが出現した。


(→2面『過去には人間を襲った例も 魔獣との向き合い方』)

 

 オオサマガエルは、同広場にあった店舗3軒、常設屋台1軒を全壊させた。その後、魔獣使い及びアムンゼン州立軍第8連隊に取り囲まれるも、同広場から跳躍し、約150メートル離れたカノッサ大聖堂(重要文化遺産)の屋根に激突し半壊させた。


 同日午後4時42分、オオサマガエルは大聖堂内にいた魔法修習生の電撃によって死亡した。

 第8連隊広報部によると、大聖堂内にいた5歳の女の子が軽い打撲を負った他、一連の騒動で死傷者はいなかったという。


 市民からは、噴水広場でオオサマガエルを包囲しながら、跳躍を許した魔獣遣い及び第8連隊の対応に非難の声が上がっている。


 アムンゼン州魔獣使い事務所ベル・ホーセン所長代理は「平和条約に基づき適切な対応をとったと考えている」と発言している。

(→5面『「魔獣との平和条約」 撤廃を求めるデモ相次ぐ』)


(出典 『アムンゼン・タイムス』,34年5月21日,朝刊,1面より抜粋)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ダメ魔獣使いと優秀な弟子〜研修先は『こどもに就いて欲しくない職業10年連続第1位』!〜 下谷ゆう @U-ske

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ