八
自分は以上の所説にすこしの異存もない。ことに東京市の町外れを題目とせよとの注意はすこぶる同意であって、自分もかねて思いついていたことである。町外れを「武蔵野」の一部に入れるといえば、すこしおかしく聞こえるが、実は不思議はないので、海を描くに波打ちぎわを描くも同じことである。しかし自分はこれを後まわしにして、小金井堤上の散歩に引きつづき、まず今の武蔵野の水流を説くことにした。
第一は多摩川、第二は
小金井の流れのごとき、その一である。この流れは東京近郊に及んでは
自分が一度、今より四、五年前の夏の夜の事であった、かの友と相携えて近郊を散歩したことを
大根の時節に、近郊を散歩すると、これらの細流のほとり、いたるところで、農夫が大根の土を洗っているのを見る。
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