七
自分といっしょに小金井の堤を散歩した
僕の武蔵野の範囲の中には東京がある。しかしこれはむろん省かなくてはならぬ、なぜならばわれわれは農商務省の
しかしその市の尽くる処、すなわち町外れはかならず抹殺してはならぬ。僕が考えには武蔵野の詩趣を描くにはかならずこの町外れを一の題目とせねばならぬと思う。たとえば君が住まわれた渋谷の
また武蔵野の味を知るにはその野から富士山、秩父山脈
また多摩川はどうしても武蔵野の範囲に入れなければならぬ。六つ
また東のほうの平面を考えられよ。これはあまりに開けて水田が多くて地平線がすこし低いゆえ、除外せられそうなれどやはり武蔵野に相違ない。
しかし東京の南北にかけては武蔵野の領分がはなはだせまい。ほとんどないといってもよい。これは地勢のしからしむるところで、かつ鉄道が通じているので、すなわち「東京」がこの線路によって武蔵野を貫いて直接に他の範囲と連接しているからである。僕はどうもそう感じる。
そこで僕は武蔵野はまず
東の半面は亀井戸辺より
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