第2話

波の音が聞こえる。下は砂かな?

波が近くまで来ないみたいだ。濡れないだけ良かった。

それにしてもここは何処だろう。

息苦しい…。

胸とお腹の上に何か乗っているみたいだし。

顔の上のやつのせいで目も開けられない。


「…」、「キュイ」、「ゴッ」


変な声聞こえる、とりあえず上に乗っているものを触ってみると3つの感触があった。

冷たいやつ、ヌルヌルしているやつ、そして硬くて重いやつ。


いやいや、何なの?この状況。

気絶してたのか?待て、そもそも何も思い出せない。僕は誰だ?何故ここに?



よし、ちょっと考えたけど判らない!まずは直近の問題から解決していこう。


「ふぅ…。とりあえず重いわぁあああああ!!!!」


僕は体の上に載っていた何かを無理矢理押しのけ、転がした。


「おお、前が見える、息苦しくない。」


僕の顔を占領していた何かを押し退けたため、僕は起き上がり周りを見渡すと3匹の何かがいた。

1匹目は丸い饅頭みたいな形で青い色をしている。プルプルしていて気持ちよさそう。たぶんこいつが顔に乗っていた冷たいやつかな?

2匹目は何だろう?腕が長いイソギンチャク?

確実にヌルヌルしているのはこいつだ。

3匹目はデカい岩の人形かな?ずんぐりむっくりしてて、妙に愛嬌があるようにみえる。

こんなのが体の上に乗っててよく潰れなかったな僕。重たいのは確実にこいつだ。


あれ?何故か分からないけど、この三匹が何考えているかわかる。三匹共、僕が起きて喜んでいるみたいだ。


喜んでいる3匹を見て、僕は話しかけても伝わるとは思っていないが、つい声をかけてしまった。


「お前たちは何だ?どうして俺の上に乗ってた?伝わるか?」


3匹から喜びと肯定の意志が帰ってきた。


なんか凄いな。魔物使いになったみたいだ。

危険も無さそうだし、これからの事を考えよう。


まずは現状の確認すべきか。

顔と手はヌルヌルしている…、気持ち悪い。

体と足は大丈夫。

服は簡素なTシャツとズボンと皮の靴。

名前は空人そらと


((名前が設定されました。ステータスの詳細が参照可能になりました))


================

名前:空人

種族:人族

レベル:Lv.1

スキル:テイム(Lv.MAX)合体(Lv.MAX)叫び(Lv.1)

    今日の敵は明日の友(Ex)神様は見ている(Ex)

テイム:スライム(名称無し)

   :ルーパー(名称無し)

   :ストーンゴーレム(名称無し)


加護:戦隊もの好きの戦神(仮名)

================


何か出てきた!?ステータスってゲームみたいだな。

名前は空人って言うのか。自分の名前なのにわからないのは面白い。


種族は人族。人間じゃないってことは他のなにかが居るのかな?

エルフとかドワーフとか漫画みたいな種族がいれば面白そう。


レベルは1ってことはまだ序盤ってことか?本当にゲームだな。


次はスキルを見てみよう。

テイム。ゲームであるモンスターとかを仲間にするやつだな。

さっきの三匹がそうなんだろうな。テイム欄に三匹の種族書いてあるからね。

合体。合体って何!?人間に合体する能力なんてなかったと思うけど…。

叫び。叫びってなんだ?叫ぶと何か起こるのかな?

まぁいいや、次はExって書いてある二つ。

今日の敵は明日の友。

神様は見ている。

これスキルなの?意味が分からないんだが…。Exってことは特別なスキルってことだと思うんだが。


最後に加護か。

戦隊もの好きの戦神(仮名)って、神を名乗るなら名乗れよ!


((戦隊もの好きの戦神(仮名)は恥ずかしがっています))


人見知りの戦神って戦場で役に立つの!?


((戦隊もの好きの戦神(仮名)は仮面を付けていることをアピールしています))


この戦神、結構反応よくない?暇なの!?


((戦隊もの好きの戦神(仮名)は足早に席を立ち、仕事をしに部屋を出ました。しばらく応答できないかもしれません))


逃・げ・た!


くそ、次反応あった時は何かしら情報貰わなければ!


さて、ステータスがあったから逸れてしまったけど、現状の確認をしよう。

ステータスで名前はわかったけど、それ以外は何も思い出せない?

知識はあるけど、記憶は無いって感じだ。

親って意味はわかるけど、親の顔など何も思い出せない。

赤ん坊から成長する過程で誰一人関わらずに成長しないなんてありえない。

今、着ている服もある。つまり服を作る文明もあるはず。

知識だけで、人が関わる部分に関してはごっそり抜け落ちている感じだ。


うーん、考えても分からないものは後回しだ。

次は周辺の確認しよう。

透き通る海水、白い砂浜、何故かこちらを見ている3匹(?)の生物達。

凄くこちらを見ている気がする。

現実逃避しても仕方がないか…。


まずは冷たいやつから。恐らくこいつがスライムだな。

大きさは30cm位?薄い青色で中に透明なボールみたいな物が動いている。

触ると張りがあって冷たくて良い手触りだ。

撫でてるともっと撫でてと言っている気がする。

撫でてると癒されるね。お布団に一緒に入ると気持ち良いと思う。


((スライムとの絆が強化されました。スライムのステータスが参照可能になりました))


お、スライムのステータスが参照可能になったか。

どれどれ?


================

名前:未設定

種族:スライム

レベル:Lv.1

絆:Lv.1

スキル:合体(Lv.MAX)打撃無効(Lv.MAX)消化(Lv.1)

================


スライムの名前が無いのか。後で全員名前を付けてあげないとな。

スキルの中に、俺と同じ合体がある。これは何かヒントがあるんじゃないだろうか?

打撃無効。無効系は強いと思う。凄いなスライム!

消化。これはスライムらしいっちゃらしい。


次はヌルヌルしているやつ。こいつはルーパーだな。

でっかいデフォルメされたイソギンチャクみたいだ。デフォルメされているから意外と可愛い。ヌルヌルしている所以外。

触手を触ってみたけど、皮膚の張りと弾力が凄い。伸縮性のあるゴムみたいな肌触りとみっちりと筋肉が詰め込まれているようだ。


((ルーパーとの絆が強化されました。ルーパーのステータスが参照可能になりました))


ルーパーもステータスが参照可能になったか。


================

名前:未設定

種族:ルーパー

レベル:Lv.1

絆:Lv.1

スキル:合体(Lv.MAX)潤滑油(Lv.1)拘束(Lv.1)

================


ルーパーにも合体がある。絶対なにかあるな。

潤滑油。まるで就職活動する学生みたいなスキル。

拘束。触手の本領発揮ですね。わかります。


最後に硬くて重いやつ。こいつはストーンゴーレムだな

一抱えあるような大きい石を人の形に積んだような外見だな。

改めてみると、凄く重そうだけどよく潰れなかったな…。

石の表面も意外にひんやりと冷たく、ツルツルしていて触り心地も良い。


((ストーンゴーレムとの絆が強化されました。ストーンゴーレムのステータスが参照可能になりました))


ストーンゴーレムもステータスが参照可能になったか。


================

名前:未設定

種族:ストーンゴーレム

レベル:Lv.1

絆:Lv.1

スキル:合体(Lv.MAX)重量軽減(Lv.1)硬化(Lv.1)

================


ストーンゴーレムも俺と同じ合体があるのか。俺と3匹で合体するとか?わからないな。

重量軽減。これが原因で軽かったのか。体重が気になる方々に人気が有りそう。

硬化。ゴーレムらしいスキルだな。凄い…硬いです。とか言ってみたい。








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