了 - 星を割れ!

 星を削りだした優勝杯は、私には不釣り合いなほど大きかった。

 それを持ち帰った私に、師匠は結局めちゃくちゃ悔しそうな顔をしていたけど、それでも満足してくれたらしい。


 ――万丈万場紫電羅岐は、結局引退を撤回した。

 引退宣言自体はしていなかったので、そもそもそれを知っているのは私と師匠だけだ。


 私が超巨星を割った後、彼は私に一言「よくやった」と声を掛けてくれた。そして「またこの地で会おう」とも。


 私は不相応にも、統一王者になった。

 いまは追われる立場……次の星割りに向けて、全てを完璧にしなくてはならないだろう。

 万丈万場紫電羅岐は私を追う立場だが――私としては、後ろから見守られているという感じである。


 男なら星を割れ――女だって、星を割れ。

 九連覇の絶対王者は破れ、象徴とされた十万AUの星も割られた。

 私の星割りに当てられ、各地で新たな還士の噂も立つ。

 もちろん万丈万場紫電羅岐も、その強さに磨きを掛けているだろう。

 当然――私だって。


 星割りはこうして、新たな時代に突入していくのだ。

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星割り番付 立談百景 @Tachibanashi_100

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