第5話 Let’s make believe that we are in love. (僕らの間に愛があると信じてみようよ。)


「はやく!こっち来いよ!」


 夏の海で、学生がバーベキューをする。ドラマなんかではよく見る風景だけど。

太陽が暑く照り付ける・・・茹だるような夏の日に、わざわざ外で食事するなんてバカみたいだと思っていた私。割と、ひねくれた高校生だったと思う。


「買い出しおつかれー!」


 男性陣が準備してくれた墨とバーベキューのセットを横目に、近所のスーパーで入手した肉や野菜の入った袋を私や買い出し組が少し掲げてフリフリと振る。


「いーえ!セッティングありがとうね」


「よっしゃ肉焼こうぜー!」


 笑顔でお礼を言えば、聖は女性陣から買い物袋をかっさらい、男性陣にトングを持たせた。どうやら焼いてくれるらしい。


「アイドルが焼く肉は高くつくぞー?」


なんて笑いながらトレーからビニールを剥がす聖の周りは、花が咲くように笑顔で溢れていた。


「だはは!おめぇ何言ってんだよ!」


「それで味でも変わんのかぁ!?」


 皆に囲まれている彼を横目に、日除けのある席に座った。あれだけ囲まれていれば焼く係りには困らないだろうし、後で交代すればいっか。そういう面倒くさがりで変なところ引っ込み思案な私の悪い部分が出てしまう。

こういうガチガチの陽キャイベントに参加すると思う。場違いだなーって…。   

すると、私の心のオアシス木村くんが、私の横に腰掛けた。

 ほとんどのメンバーが水着に軽く上着を羽織る程度の、露出度高めな服装に身を包んでいた中、私と木村くんだけ割ときっちりと服を着ている。

こんな所も少し似ている気がして、私は少し安心する。楽しいけど、陽キャメンバーに囲まれ続けていたら息が詰まる。こちとら根暗だしね。


「香椎さん、これ食べる?」


ニコッと微笑んで、木村くんがお菓子の小袋を手渡してくれる。


「えー!このチョコ!・・・これ、美味しいけどちょっと高いよね?」


「──余ってたからやる。って」


・・・って?木村くんからじゃないのかな、しかもガルボが余るとかどういう状況?

どういう意味か理解しきれず首を傾げれば、彼は相変わらず楽しそうに笑っていた。


「んー、風間がね?香椎さんにって」


「・・・聖が?」


「風間、コンビニでコラボしてたじゃん?お菓子3つ買ったらクリアファイル貰えるーーみたいなやつ」


そうだっけ?と疑問に思いつつ、話が掴めず、続きを促すように彼を見つめて頷いた。


「親戚とか家族、まぁその他もろもろクリアファイル欲しいから買うけど、お菓子こんなにいらないって風間が押し付けられるらしいよ」


「ふーん。まぁ、じゃあ有難く受け取っとこうかな?」


小袋を受け取って、モクモクと口の中に放り込む。甘い。ちょっと冷えてるから、クーラーボックスにでも入れてきたのかなー?用意周到だなあいつも。なんて思いつつ、ちらりと視線を聖の方にずらす。

バチリ。音が鳴るんじゃないかってぐらい、目が合ってしまい、思わず掴んでいたお菓子をギュッと握りつぶしてしまう。


──・・・?


聖の柔らかそうな唇が、ゆっくりと動くのが見えた。ば・か・ぢ・か・ら。─────・・・馬鹿力ァ!?

クッソ!あいつ、相変わらずムカつく奴だな!だからゴリラ扱いすんなって言ってんのに・・・!

心の中で盛大な舌打ちをかまし、私はふいっと彼から視線を手元のお菓子へ移した。

ムカつくものの、こうしたやり取りをすることが懐かしくて、ちょっと楽しんでいる自分がいるのも事実で・・・。





 聖のことを好きだと自覚してから、彼を避けに避けていた私。彼から歩み寄ってくれたのに、それを突き放して傷つけた。

そんな自分勝手な私を、彼は許し仲直りをしてくれた。それから・・・またこうしてグループで行動することが増えた。グループの子たちも、出戻りの私を快く受け入れてくれた。何となく理由はわかってたし、と誰も責めないでいてくれたのが唯一の救いだった。

 彼はあの晩以来、普通の友達に接するのと同じように私に絡み、話しかけた。夏休みとはいえ忙しいだろうに、仕事に空きができれば連絡を入れ、共に過ごしている。

皆で助け合いながらそれぞれ山のようなレポートを書きあげた後、予約した海の家にやってきたのだ。

多忙な彼と過ごす時間は決して多いとは言えないけれど、彼と、皆と過ごすこの時間が──・・・騒がしい、うっとおしいと言いつつも、楽しくて愛おしかった。


「でも、そっかー。ふぅん?」


 最後のチョコレートを口に入れた時、唐突に木村くんが空の菓子袋をトントンと軽くつつきながら、にやにやと笑っているのに気づく。

えっ、なに・・・?木村くん、こんな笑い方する人だっけ。


「な、なに・・・?どうしたの木村くん、」


「──・・・聖、ねぇ?」


「!」


げっ!名前で呼んでるの今まで隠してたのに、バレた。オアシス木村くんだから、言いふらしたりはしないかもしれないけれど、この笑い方は嫌な感じだ。

からかいを含んだ彼の笑みに嫌な予感を覚えながら、私は空袋を奪い取りゴミ袋へぶち込む。


「別に、深い意味は・・・」


「はいはい。そういうことにしておいてあげるね」


 意外とあっさり名前呼びへの追求は終わり、彼は私の隣から腰をずらし、他に1人座れる程度の隙間を作った。

何のためだろうか。先程から、木村くんの意図が見えず混乱する私をよそに、「肉が焼けたぞー!」という明るい聖の声が聞こえた。


「ありがとー!食べよ、木村くんも!」


立ち上がろうとすれば、私と木村くんの間からドカッと机に山盛りの肉が置かれる。


「ここ、居ーれて」


「、ッギャァ!」


私の悲鳴にも似た奇声を聞いた2人は、プッと軽く吹き出して、私に取り皿と箸をくれた。


「そんなに驚く?」


「・・・ふは、っ俺もびっくりしたわ!」


 木村くんと聖の笑顔は、なんだか似ている。大人しい木村くんと騒がしい聖がどうして仲がいいのか、はじめの頃は分からなかったけれど。

 最近になって、少しずつわかってきた気がする。笑いのポイントが似ていたり、押し付けがましくないさり気ない気遣いができたりするところ。纏ってる雰囲気は全く違うようで似通ってる。


「だって聖がこっち来るとは思わなくて、」


「はぁーん?来ちゃわりーのかよ」


 おどけたように唇を尖らせる彼を見て、口元が緩むのを感じる。

ポンポンと膝を軽く叩いて、そんなことないよ。と言えば、目が無くなるくらい眩しい笑顔を見せてくれる。

あー、その笑顔が好きだなぁ。そんなことを思いながら、焼いてくれたお肉を口に運んだ。


「ん。美味しいよ!聖、やるじゃん」


「──ほんとだ。風間、焼くの上手いね?」


「はは!テレビで鍛えられてますんでねー」


少し鍛えられた腕を、トントンと軽く叩きながらドヤ顔でお肉を頬張る聖。

──確かに、ミッフィーが最近見せてくれたライブDVDの特典映像で、メンバーにお肉焼いてあげてたなぁ、と。そんなことを思い出した。


「・・・あ。そういえば、ガルボありがとう!冷えてて美味しかったよ。私あのお菓子好きだから嬉しかった」


 忘れないうちにお菓子のお礼を言っとこうと思って、私は聖に焼肉のタレを渡しながらそう伝える。

すると彼はタレを受け取り、私の目を見て押し黙る。──・・・えっ?私何か変なこと、言ったかな。

 急に、あまり見ないような真面目な顔をして私を見つめるから、何なんだ?何かしたか?と彼を見つめ返すことしかできない。────思わず、ゴクリと喉が鳴った。


「俺も、好きだよ」


「・・・はっ、?え、あ・・・」


 思ってもみない言葉に、言葉にならない言葉が口からこぼれた。

タレを奪われた私の手は行き場をなくし、そのまま硬直してしまう。え、ほんとに何?

 ちら、と聖の奥にいる木村くんを見遣れば、口いっぱいに肉を入れたまま笑いをこらえるように震えていた。

聖に視線を移せば、やはり真面目な表情で私を見つめたまま。え、何この雰囲気。


「・・・俺も、お前と同じ気持ちだっつってんの」


「は、・・・え?」


 聖の顔が近づいてきて、右肩に手を置かれた。耳元に近づいてきた唇から漏れる吐息で、何だか感じたことないゾワリとした感覚がした。──え、ちょっと本気でわからない。


「────このチョコレート、・・・美味しいよな、」


「・・・、は?」


 ねっとりとした、熱っぽい言い方でためにためて出てきた言葉に、私から出た言葉は自分でもびっくりするくらい冷めた響きをしていた。


「ぶっ・・・!風間、やめろよ・・・」


「はぁー?俺は真剣に、このお菓子が好きって言ってるだけじゃん!」


 きみが、あまりにも私を真っ直ぐに私を見てそういうから、私は別の意味で捉えてしまいそうだったのに。

なんて、ひどい男だ。からかうにしても、最近調子に乗りすぎではないのか。そんな感情に支配され、イライラが募る。


「・・・クソ野郎が、よ!」


べしん!と聖の相変わらずガチガチに固められた頭部を叩けば、そんなの痛くも痒くもないでーす、と笑い声をあげる彼。


「はーい、女の子がそんなこと言わなーい」


──ぽん、といつものように私の肩を叩き、爽やかに笑いながら肉オカワリー!と紙皿を持って走り去っていく彼を見て見て、ため息をついてしまう。


「香椎さんも、苦労するねぇー」


「、・・・えっ?」


「でも、風間がああいう冗談言うの君だけだよ」


 あいつもまだまだ、子供だよね?と、全て理解したように笑う木村くんは、オアシスなんかじゃないのかもしれない。

──茹だるような暑さに身を焦がしながら、そう私は考え始めていた。




──────────・・・


 お腹も満たされ、片付けもあらかた終われば、後はすべきことは海で遊ぶだけ。

海の家からかすかに聞こえる明るい音楽を後目に、彼らはビーチバレーを始めたり、海に入って泳いだりと、思い思いの遊び方で楽しんでいた。

せっかく海に来たんだから、暑いまま遊ぶ彼らを見つめてるなんて勿体ない。そう思い立った私は、ビーチパラソルの中に入り、恥ずかしいけれどパーカーのジッパーを下ろし服を脱いだ。

 元々服の中に水着を着てきていたけれど、別に自分の体に特別自信があるわけじゃないし・・・泳ぐときだけ脱げばいいかと、そんな風に考えていた。


「おっ」


後ろから声が聞こえたので、振り返れば、太陽に照らされた笑顔の聖が立っていた。


「・・・なに?」


「似合うじゃん!水着」


 水着姿を見ても、特にいやらしさがなく、本当にそう思っているんだなって分かる褒め方だった。

聖は私を特別女として見てるわけじゃないし、男友達にその水着いいじゃんって軽く褒めるのと同じような意味、特別な意味は何一つ持たないってわかってるけどね。

それでも、──好きな人に似合うと言われたら、「水着新しいの買ってよかった」って思えるくらいには私は普通の、恋する女の子だった。


「ん、ありがと。紫好きだから、買ってみた」


 私が買った水着は、黒いワンピースタイプに淡いピンクのフリルがあしらわれた大人しめのもの。

際どいビキニや胸元や足がザックリと開いた水着を着ている子達も居るが、私にそこまでの勇気もなければ、見たいと思う男も居ないだろう。

 こういうシンプルなものの方が、人を選ばないし体型もカバーできるかなって、甘い考えで買ったものだった。


「俺の色だから好きなんでしょ?」


「・・・、はっ?」


彼があまりにも自信満々に、そう言い切るものだから、私は頭の整理が追いつかずまた素っ頓狂な声を出してしまった。


「だーかーら、紫って俺のメンカラじゃん?」


「そんなの知らな・・・」


知らない、と言いかけて・・・はたと気づく。ライブでペンライトを振る私を見ていた彼に、そんな言い訳が通用するわけない。

元々好きな色だったが、ここでしつこく言い返せばそれはそれで変な雰囲気になってしまうし・・・と、なんと言えばいいかわからず言い淀む。


「俺も好きだよ」


 まただ。また、私を揶揄うために、好きだよって言葉を気軽に使う。ピンク色がって言いたいんでしょ。

でも、その言い方が悪い。私が照れて、困って、怒るのを楽しんでいるでしょ?

冗談言ってるんじゃないよって、いい加減にしろよって彼をどついて、そう言わなきゃって顔をあげて彼を正面から見る。


「────・・・、っ」


さっきとは違う。聖は、甘い瞳で私を見つめている。見ている私の方がどろどろに溶けてなくなってしまいそうな、そんな・・・恥ずかしくなるような顔で見ないでよ。


「麗奈」


勘違いしてしまいそうになる。そうやって甘い声で名前を呼ばれてしまえば、私が何も考えられなくなることは彼は知っているのだろうか。


「な、な・・・に?」


「水着姿も、・・・可愛い」


 カーッと熱が顔に集中するのがわかった。熱に浮かされるってこういう状態のことを言うのかな。

このビーチパラソルの中だけ、温度がプラス5℃はあるんじゃないか、そんな馬鹿なことを考えるくらいに私の頭は正常ではなかった。

 1歩、また1歩と彼は私のそばへ近づき、先程と同じように自分の唇を耳に寄せた。かかる、熱っぽい吐息が擽ったい。


「浴衣姿も、可愛かった。──今年は無理だったけどさ、来年は一緒に花火見ような」


 ぞわりと肌が粟立つのを感じる。私はどうして良いかわからず、小さな声で囁くようにお礼を言った。

聖が仕事で来られなかった夏祭り。皆で撮りあった写真は、当たり前のようにグループらlimeに載せられていた。

「行きたかった、来年は必ず行く!」なんてメッセージを入れていた彼だから、写真を見ているとは思ったけど。

こんな風に直接、それを褒められるなんて考えてもいなかった私は、今きっと顔が真っ赤で見てられないだろう。茹で蛸のようになっている、絶対。


「どーいたしまして。・・・これ冗談じゃねぇから」


 瞼を垂れさせ、目を柔らかく細めて笑う彼は、天使の顔をした悪魔のようだった。甘い言葉を囁き、相手を惹きつけ離さない。捕えられた私は、もう逃れることはできそうもない。

胸の高鳴りに聞こえないふりを決め込んで、深く吸った息をゆっくりと吐き出した。

私が彼の友達として求められていることは、まず第一に彼の言動の一つ一つに期待しないこと。彼は誰にでも優しい。そんな彼のすることなすこと全てを意識してしまえば、身が持たないのはわかりきっているのだから。

 ちょっと冷静さを取り戻した私は、「せっかく海に来たし、泳ぐ?」なんて、今までの会話とは全く関係の無い別の話題にすり替えた。

そうすると、聖は少しだけ困ったような、不満そうな、そんな微妙で複雑な顔をしたけれど、すぐその顔から曇りは消え笑顔に変わった。──・・・ふふ、百面相。ちょっと可愛いな。

泳ぐの苦手なのかなー、だからちょっと嫌な顔した?なんて考えていると、傍にあった大きな浮き輪を手に取り、私の手を引いて走り出す彼。


「ちょ、ちょっと何すん──・・・!?」


「ふはは!そーーーれっ!」


 浮き輪を私に被せたと思ったら、海に放り投げられる。思いっきり塩水を飲んだ私は、咳き込みながら彼を睨みつけた。


「ぅ・・・ぇ、けほっ──・・・ちょっと聖!」


────バシャン!


 彼も飛び込むように激しく音を立てて海に入って来たと思えば、濡れた髪を男らしくかきあげる。少し長めの髪は、彼をより美しく彩る装飾のようだった。彼はアイドルだから、こんな普通の動きでもイメージビデオの撮影?って思っちゃうほど様になってしまう。

だけど、中身は意外と普通の大学生。子供っぽくはしゃぐし、下ネタだって言うし、女相手でも力加減がわかっていない触り方をする。

たーまに、ぶっ飛んだことを言うしするけれど、意外と常識人で・・・人が本当に嫌がるようなことは決してしない。

 ここにいる他の人達より、ちょっとだけ特別なことをしている・・・私にとっても特別な男の子。でも、ここでは彼はアイドルの風間 聖じゃない。

他の人と何も変わらないような、・・・ここにいる聖は、ただの男子大学生の聖。心から楽しそうに笑う彼は、やっぱりちょっと特別で、キラキラ輝いて見えるのだった。


「わりーわりー!」


「もう!悪いなんて思ってないでしょ?」


 顔に張り付く髪を、軽く外側に撫で付けながら彼を睨めば、彼は何も気にしていないように鼻歌を歌い、浮き輪を引っ張り私をどんどん沖へと連れていく。

ご機嫌な聖を見ていると、怒る気も失せてしまう。私は抵抗をやめて浮き輪を握りプカプカと揺れる。

 暑かったけど、やっぱり海水はちょっと冷たくて気持ちいいな。自分でも明らかに顔が緩むのを感じ、気を引き締めようと顔に力を入れた。すると、ムニムニと頬を彼に弄ばれる。


「なに?さっきから変なことばっかりして」


「わり。楽しくてさ──・・・最近仕事漬けで、お前とも会えなかったし?」


 その言葉が嬉しくて、また口元が緩む。聖の言葉で一喜一憂するのは馬鹿らしい。辞めよう、そう思ってはいるものの、やはりそれは難しくて。

ついつい喜んでしまう自分がいるし、彼に嫌われなければいいと思いつつも、彼にもっと好かれたいと高望みをしてしまう自分が見え隠れする。


「そうだよねぇ・・・聖は偉いよね」


「んー?何がぁー?」


「学業も完璧にこなして、毎日お仕事頑張って・・・それでファンの皆も幸せにしてるもんね?でも、たまにはこうして皆で息抜きしようね」



結構あんたのこと、尊敬してるんだよ。──へらり、海水の気持ちよさと聖の言葉の嬉しさが相まって、ゆるゆるな口元を更に緩ませた。

 額に垂れた髪を後ろに流してやり、よしよしと頭を撫でてやれば、聖もへら、と表情を緩ませた。


「──おう、また遊ぼう。な!」


 ウリウリと、彼がいつも私にそうするようにつつく。彼は嫌そうな顔をせず、それを受け入れてくれて。私もそれが何だか嬉しくて・・・浜辺から少し距離が離れたからか、2人きりでいるようなそんなドキドキもあるけれど、それすら心地いい。──そうしているうちに、私は浜辺へ戻るのが嫌だと思い始めていた。友達とはいえ、なんだか欲張り過ぎてる気がするなぁ・・・、幸せすぎてあとが怖い。

 そんな思いに蓋をして、浜辺の木村くんたちに手を振る聖を見つめながら、いつ崩れてしまうかも分からない・・・彼の隣に居ることが許されている今この瞬間を、幸せを、噛み締めていた。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る