温泉男
奥田啓
温泉男
◯教室
中に入ると黒板にプリントをとってくださいとかいてあった
プリントが見当たらないので近くの人に尋ねようとする
風呂田湧「あの・・プリントってどこに・・・」
男子生徒「あっ・・・」
話しかけようとしたひとはどこかにいってしまう。
なんとか自力でみつけたなぜか自分が避けられている
近づくとあつくて汗をかくらしく気味悪がられていた
男子生徒「今日あいつのまわりすげぇくさかったんだけど・・・・」
湧「このままだと大学でもぼっちか・・・・」
席にすわろうとすると避けられ自分の周りに人がいなくなった。
男子生徒1「今日あいつのまわりすげぇくさくね」
男子生徒2「風呂入ってんのかよこれ硫黄のにおいじゃね?体臭硫黄ってやべー」
湧M「今日は匂いもひどいらしい・・・シャワーですませてるからかな・・・」
湧の心はチリッとする
湧「風呂入るのは今だに怖い・・・どうせ嫌われてるし匂いあろうがなかろうがどっちでもいいや」
後ろから人が入ってくる
湧M「温水泉さんだ・・・・」
ストレートサラサラ部屋におっとりとした顔立ちで人気がある
湧「かわいいな・・・・」
湧「関わりなんて一生ないだろうなあんな人と」
一緒に歩いているとが泉に話しかける
女子生徒「あー席がすくないね・・・ってかうすきみわるいやつのところしかあいてないよ」
泉「どういうこと?」
女子生徒「しらないの?あいつの近くにいくと熱くて汗が出るんだよちかづかないほうがいいよ」
湧は自分の悪口に聞こえないふりをする
泉「あそこしかあいてないでしょ。すわろう」
女子生徒「えっちょっと泉」
しばらくすると自分の1つ開けて隣に泉が座る
湧「えっ近い・・・・・・」
泉はすましたまま座っている
湧「でもすぐどっかいくよ」
ちらっと泉の方を見ると顔がほてっていた。
官能的な表情をしながらこちらをみる
なにやら悶えている
変な声が聞こえた
湧「えっ・・・なにして・・・」
気がつけば泉はとろんとした表情でこちらをみる
泉「ねえ」
湧「は、はい?」
泉「ちょっとそとでてもらっていい?」
湧「えっちょっと・・!」
まわりががやがやしている。
そのなか教室を出る。
教室からでて少し離れた廊下まで走った。
やがて立ち止まり泉は口を開く
泉「あなたへんな体質があるんだって?あなたにちかづくと体が熱くなるとか」
湧「そうですね・・・すいません熱かったですかね・・・」
泉「あのね・・・私温泉好きなの・・・」
湧は突然の話題に困惑する
泉「それでけっこうあの温泉はどういうのかとか成分とかしってるんだけど・・・」
湧「はあ・・・それが・・?」
泉「ちょっと確かめたいから触れてみていい?」
湧「へ?」
意味のわからない展開にますます混乱する湧
泉「その体質についてわかることがあるかもしれない」
湧「えっほんとですか?」
泉「うん、だからふれてみてもいい?」
湧「は、はい・・・」
泉は湧の体にそっと触れる
泉「ああっ・・・ん・・!」
泉は変な声を出し始める
湧「だ、大丈夫ですか?」
泉「わかった!やっぱり!」
湧「なにかわかったんですか?」
泉「たぶんあなたから温泉成分がでてる!」
湧は意味のわからないことをいっている泉を不思議そうに見る
泉はいつものおっとりとちがって目をキラキラさせている
泉「ほらみて!」
手の甲を突き出してくる
湧「なんですか・・・?」
湧の手を泉は手にとって
自分の手を触れさせる
湧「えっ?!」
泉「ほらすべすべでしょ!」
湧は目の前の綺麗な女の子のやわらかいてにふれて気が気でなくなっている
湧「ああはい・・・」
泉「それにほら」
泉は手にはめている指輪をみせる
泉「これ錆びてるでしょ。さっきまで錆びてなかったんだよ急になの」
湧「えっほんとですか?」
泉「強い酸で高い殺菌能力で肌はすべすべになるけれど酸の強さで金属はすごい錆びる。」
湧「そうなんですか・・・」
泉「それにこの匂い・・・」
湧「これはシャワーでいつもすませてるからくさいだけだよ・・・」
泉「いやそういうくささじゃないよ。硫黄っぽいけどこれ実は硫黄じゃなくて硫化水素のガスの匂いでね」
いつもおっとりしている泉がつらつらとしゃべりまくっている
泉「総合すると・・・・これは草津温泉だね!!」
湧「体からそんな温泉ってキテレツすぎませんか・・・?」
泉「ありとあらゆる温泉をいってる温泉マニアの話がいうんだからまちがいないよ!」
泉は湧に顔を近く寄せて目を輝かせた
湧「は、はあ・・・・・」
泉「ねえあのさもっときみのこと知りたい」
湧M「温水さんにこんなこといわれるなんて・・・・」
泉「ねえ名前なんていうの?」
湧「風呂田・・・湧」
泉「名前体質にぴったりだねーおもしろ!」
湧「え、そうかな・・・」
泉は笑う
大学一の美女が湧のいったことに笑っている。
それを湧は感動し、それを少しうれしくなった
教室に戻り授業を受け終わると周りの人がこえをかけてきた
匂いがあるので一定の距離を保ちつつ。
男子生徒「おまえすげーなーどんな手を使って温水さんと親しくなったんだよ」
湧「いやなんかわかんないけど」
湧M「久々にちゃんと人に触れているな・・・・」
授業が終わり帰るとすると泉がこえをかけてくる
泉「湧くーん。」
湧「湧くん・・・?ぼっちのおれにそんな呼び名で呼ぶ人なんて心当たりが・・・」
泉「さっきはありがとうー」
湧「あっ温水さん・・・」
泉「ちょっと一緒に付き合ってほしいところがあるんだけど、いいかな?」
湧「えっどこへ」
泉「うちのいえ」
湧「女子の家に来てしまった・・・・」
泉「さあこっちきて」
案内されたのは風呂場だった
湧「え?」
泉「いっしょにはいってくれない・・・?」
湧「いやいや・・・・なんで?」
泉「温泉成分がお風呂場にとけだすかどうかたしかめたくて・・・・自分の家で草津温泉が楽しめると思うともうテンション上がっちゃう!」
湧「いや・・・だからって」
泉「だめ?」
泉のかわいさの圧にNOと言えないでいる湧
だが
湧「俺が本当に苦手で・・・・風呂もシャワーですませていて・・・」
泉の悲しい顔がみえた
いたたまれなくなる湧
湧「だから・・・・ごめん!」
湧はその場から逃げ出す
泉「あっ・・!」
◯湧の部屋
湧はベットに横たわる
湧「嫌われたなあ・・・・」
ため息をつく
◯大学
湧は泉をみかけるが別の方向に進行を変える
違う方を歩いていると泉が急に現れる
湧「あっ・・・」
泉「湧くん・・」
湧のは気まずさで体が固まってしまう
泉「ごめんねいろいろ無理やりして・・・・」
湧「いや・・・こちらこそ急にかえったりしてごめん・・・」
泉「お風呂にがてなら温泉とか体質とかも結構センシティブなことだよね。ズカズカふみこんだりして・・・」
湧「・・・いやちがうよ」
湧「むしろ僕の体質なんていつも気味悪がられてたのに・・・・温水さんだけ褒めてくれたそれはうれしかった」
泉「湧くん・・・・」
こういう体質に気がついてから小学校の時友達と一緒に温泉入ったら気味悪がられてすごくいじめられたんだ。それから風呂が嫌いになって・・・・」
なぜかスラスラといままで人に言ってこなかったことを泉にいっていることに驚く湧。
泉「わたしは湧くんの体質すごいと思う。これ温泉産業に革命がおきるんじゃないかなって」
湧「か、革命?」
泉「それをたしかめるためにもう一回私の家にきてくれない?」
湧の手を取り顔を近づけて目をキラキラさせる泉
湧「なんかテンションががってきたのはいいものの・・・一緒入るのはおかしいよね・・・」
タオル1枚の姿になった泉がニコニコしている
泉「ちゃんとつからないとわかんないもん。さっはやく。ぬがしてあげる」
泉が湧の服を脱がそうとするのであわてる
湧「自分で脱ぐから一旦でて!」
泉「はーい」
湧「まったく・・・いままでの綺麗なキャラとぜんぜんちがうじゃん温水さん・・・」
湧「ぼくだけがしってるのかなこんな人だなんて・・・」
湧は顔を赤らめる
泉がはいってくる
泉「まだー?」
湧「いまからやるから!」
タオル一枚になり、浴室にはいる
タオル一枚になっている男女が密室にいる。
一緒に入るのは学内1美女
バスタオルが体の線を拾うため
いやでも体のラインがみえてしまう
温水さんはとても色々大きかった
女の子の風呂にはいろうとするのが罪悪感を感じる湧」
そして苦手な湯船を見つめる
湧「・・・・」
泉は急に手を握る
湧「えっ」
泉「一緒にはいってあげるから」
湧「いやそれだと違う緊張感が・・・」
泉「大丈夫。いくよ」
有無を言わさず一緒に入る。
少し震えたが握られて気が紛れてるのか湯船に入れた
泉「あっ入ってる・・・」
泉「すごい!はいれたね!」
すると湧のはいったところからゆけむりが強く立つ。
湯が濁り出す。
泉「むむ!変化していく」
湯けむりが強立ち上っていく
すると泉が顔を赤らめ始める
泉「ああっ・・・・・やば・・・・ん・・・」
泉は官能的な声を出す
湧はドキドキしてしまう
変な声を出したあと黙る泉
湧「ど、どうしたの?」
泉「これは・・・・・」
泉「草津温泉だー!!!!!」
急に大きい声をだす
湧「うわっ!」
泉「完全に草津温泉だよこれすごい!酸性のこの強さ・・・間違いない。湧くんははいったら体から出てる温泉を再現できるんだよ!!すごいすごい!」
湧「そ、そうなんだ・・・」
泉「湧くんすごすぎるとんでも人間だ・・・」
湧「そんなにほめられたことないからどう反応したらいいか・・・」
泉「素直に出していいんだよ」
湧「うん・・・ありがとう」
湧はすこしてれたように言う
少し静寂があると湧は我に帰る
湧M「温水さんと一緒にお風呂はいってるっていう状況がほんとにゆめのようというか・・・・」
湧「というか近すぎて目合わせられない・・・」
ふとももが触れ合う
湧「ううっやばい・・・ふとももが・・・」
湧M「ちょっともうだめだ・・・」
湧「あ、上がるね!!」
立ち上がろうとする
泉「あっまって!」
湧「いやもうぼく・・・」
泉「お湯が変化してる!」
湧「え?」
湧は湯を見ると赤色に変化していた
湧「えっ・・・・なんで」
泉「赤い・・・」
湧「こんな短期間で変化したことないよ・・・」
泉「なんかコンディションとかメンタルに連動してるのかもね」
湧「そうなのかな・・・」
泉「そんでわかったこれ!湯ノ本温泉だ!」
湧「湯ノ本温泉?」
泉「赤色になるのはナトリウム塩化によるものなんだよ。鉄分がはいってて角質をとって塩分で保湿してくれるから肌がすべすべになるの!」
湧「へーすごいですねそんなスラスラと・・・」
泉「温泉マニアだからね」
ピースサインをする
泉「それにここは子宝の湯といってね・・・」
自分がいったことにハッと気がつき
気まずくなり、泉はさっと上がるとタオルがはだけて大きな胸があらわに
泉「見ないで変態!」
泉は大声とともに湧に思い切りビンタする
そのまま湯船にひっくり返る湧
気がつくと目の前に泉の顔があった
泉「あっきがついた?」
湧は脱衣所でタオルをかけられ泉の膝枕されていることに気がつく
ガバッと起き上がる
泉「大丈夫?ごめんね反射で手が出ちゃって・・・・」
湧「あっいや・・・ぼくもすいません・・・」
泉「でもすごかった湧くんの力。トンデモ能力だね。」
湧「ありがとうぼくの能力をいいものといってくれたのは温水さんが初めてだ」
泉「そうかな。すごいと思う人いっぱいいると思うな」
湧「そうかな」
泉「そうだよ。いろんな君を知りたいから」
泉「これからも一緒にお風呂はいってくれない?」
湧「えっ」
泉「へ、な意味じゃないからね!」
泉があわててるのをみて湧が笑ってしまう
湧「わかりました。がんばってみます」
泉「よし、よろしくね。それじゃあ温泉マニアの私が湯上りの作法を教えよう・・・」
湧「ながくなりそう・・・・」
温泉男 奥田啓 @iiniku70
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