第27話 戦果



私は抱きつき爆泣きするミオちゃんをなだめる。彼女の頭をなでなでしながら、そのギャップに殺されそうになり悶えていると、ミオちゃんは体を起こしこう言った。


「ご、ごめんね。もう大丈夫...」


「...う、うん...」


なんだこれ、ミオちゃんの恥じらう顔は犯罪級に可愛いな。


そして私は誤魔化すように宝箱を指差す。


「あ、あれ、クリア報酬だよね?何が入っているんだろう」


黒い宝箱。初、ダンジョンボスクリアで手に入れる最初のアイテムは...。


「ミオちゃん、一緒に開けよう」


「え?」


「二人でクリアしたんだもん。ほら、私の中にきて」


「...ん。わかったわ」


こちらを見てニコッと微笑むミオちゃん。


いちいち可愛すぎるだろ!と、心の中で叫んでいるうちに同化完了。


「それじゃ、開けるよ〜」


「うん」


宝箱の蓋を開く。すると箱が煙のように消え、かわりに出現したのは


アイテム《命魂種【神】》《神域ノ枝》


武器神狩ノ剣【黒】



おおお!?すごーい!?


「ミオちゃん!!」


「す、すごいわね...」


どれもレア度☆14ある。この世界での最高レアリティだ。ちなみに☆5くらいからなかなか入手できないレベルになる。


(これ、売ったらいくらに...ごくり)


と、そんな思いを見透かすように、ミオちゃんが「ちなみにこれ全部売れないわよ」と言った。


...はい。


「けど、この《神狩ノ剣【黒】》はかなりのモノね...」


《神狩ノ剣【黒】》

☆14 ロングソード

攻撃 2847000

防御 

魔功 3168000

魔防 

固有 《八重の剣》魔力により剣を八つに複製。剣は意のままに動かせる。使用した魔力が尽きれば消滅する。


まさに神武器!!すごい性能だ!!


「ん、ていうかこれって、あの白き少女が使っていた剣だよね?」


「ええ、そうね」


「わあ、嬉しい!あれカッコいいなあって思ってたから!」


「ふふ、良かったわね」


「二刀流できるかな」


「いまのアカリのステータスなら、筋力は余裕で足りてるんじゃない?」


「ふんふん。あ、てかさっきボス倒したときレベルアップしたんだった。えーっと...ステータスオープン!」






◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



☆バトル


《アカリ》称号【神狩

職 ー レベル96

体力 88200/88200

魔力 4498000/4498000

筋力 9567

攻撃 12386

防御 11490

魔攻 13621

魔防 13286

敏捷 8336

運  6861


《スキル》

・ー



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆





「!!?」


「...SS+を...ソロで倒したから、凄まじい経験値量ね。レベル72からレベル90に到達するなんて...」


あ然とステータスの数値を眺めていると、ふと目に入る称号。


「ん、あれ?【神狩】って?」


「クリア称号ね。その横にある《絶》というのはソロで倒した証よ」


「おおう...こんな大層な称号が」


「大層な?...アカリ。あなたはランクSS+のモンスターを倒したのよ?しかもソロで...大層なんてことないわ。おそらく誰一人達成したことのない偉業とも呼べる事なんだから...!」


「う、うん...わかった」


ミオちゃんの圧が凄い!!でも、それだけ凄い事なんだよね。実際、死に目にも何度もあったわけだし...ってか、SS+相手に良く生きてたな我ながら。いや、ミオちゃんのおかげなんすけどね?


「でもあれだよね。称号って他人から丸見えなんだよね?」


「そうね。称号はプレイヤーネームの横に固定されるから...なぜ?」


「あ、いや。恥ずかしいから非表示にする」


「えーっ!!?」


「や、ほら、変なプレイヤーに絡まれかねないし。面倒はさけたいよ」


「まあ、たしかに...ソロ称号を掲げていると、腕試しとかで絡んでくるプレイヤーはたまにいるわね。なるほど...」


複雑そうな面持ちのミオちゃん。


「でも、ま。これで...ダンジョンから帰れるね!」


「そうね!」


宝箱を開けた時に、同時に現れた青い扉。


その扉に手をかけた時。


私達の体は転送された。




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【急募】ログアウト不能のデスゲームと化したこの世界で、クランマスターに《鉄屑》を全財産で買い取らされた商人はどう生きていけば良いと思いますか?〜フルリンク型VRMMO【アナザーワールド】〜 カミトイチ@SSSランク〜書籍&漫画 @kamito1

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