15章構成の『承』を考える

起『物語の発端』1〜3

承『物語の進展』4〜10

転『物語の転換』11〜14

結『物語の結末』15


 今回は『承』の作り方を教えたいと思う。

 正直言って、この『承』は教えるのが大変難しいです。

 でも、皆様が最後まで付き合ってくれると信じていますよ。


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4『ご自由にどうぞ(プラス)』

5『ご自由にどうぞ(プラス)』

6『ご自由にどうぞ(プラス)』

7『ご自由にどうぞ(プラス)』


——ミッドポイント(物語の中間地点)——


8『物語の序盤(問題が生じる下地作り)(プラス)』

9『物語の中盤(問題が生じてしまう)(マイナス)』

10『物語の終盤(その問題を解決する)(プラス)』


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 起承転結の『承』には、起承転結が含まれています。

 本当に小さな小さな起承転結なので、見落としがちですがね。

 承は、4〜7話は前半パート、8〜10は後半パートに分けられる。

 んで、私は前半パートを一話完結型の物語に。

 そして、後半パートを一纏めの物語に仕上げています。

 それでは、今から詳しい説明をしていきましょうかねぇ〜。


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4『ご自由にどうぞ(プラス)』

5『ご自由にどうぞ(プラス)』

6『ご自由にどうぞ(プラス)』

7『ご自由にどうぞ(プラス)』


『起』のラストである3からの続き……。


 つまりは——。


『お助けキャラからの力を借りて、主人公が幸せになる話』


 4〜7話は『前進→前進→前進→前進』の流れになります。

 とりあえず、主人公がやることなすことが全て上手くいけばいい。

 そして、物語を好転しまくってください。もうね、トコトン成功続き。


 それから、ミッドポイントを挟んでからの後半パート。


8『物語の序盤(問題が生じる下地作り)(プラス)』

9『物語の中盤(問題が生じてしまう)(マイナス)』

10『物語の終盤(その問題を解決する)(プラス)』


8『物語の序盤』


 4〜7話で好転しまくった主人公。

 そんな彼の元に、新たな話が舞い込んでくる。

 今まででは考えられなかった出来事が起きるんだ。


『売れないバンドマンなら、メジャーデビューしませんか?』

『売れない女優なら、オーディションの一次審査に通過した』

『文化祭で、主役をやってみないか?』などなど。


9『物語の中盤』


 好転しまくりの人生を歩み始めた主人公。

 次も、絶対に上手くいくはずだぜ。

 そう思っていたのだが、何かしらのトラブルが発生する。


『バンドメンバーがやめたいと言い出した?』

『二次審査は面接があって、歌とダンスを披露しなければならない』

『機材トラブルが発生して、マイクが使えないだと??』


 この問題というのは、別に何でもいい。

 でも、主人公が自分自身の力で解決できる問題にしよう。


10『物語の終盤』


 問題を解決させる。

 と言っても、この問題の解決方法は4〜7で手に入れたものがいい。

 4〜7で手に入れた技術を駆使して、問題を解決させるんだよ。


 主人公は前進、前進、前進、前進しているわけだろ?

 つまりは、何かしらの成長があるはずなんだよ。

 んで、その成長を武器にして、問題をサクッと解決させるわけだ。


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 実際に物語の『承』を作ってみた。


ログライン『男子高校生が彼女を作る話』


4『お助けキャラの力を借りて、イメチェンしてみる話』

5『会話の技術はナンパしろと言われて、実際にナンパしてみる』

6『クラス内での評価が変わってきて、続々とファンが現れる話』

7『痴漢されている女の子を偶然助けたら、憧れの女の子だった』


 4〜7の説明は不要ですね。

 わざわざ解説する必要はないと思うので割愛します。


8『クラスの一軍グループから遊びに誘われる』


 ダメで冴えない男子高校生だった主人公が、一軍から遊びに誘われる。

 今までの交友関係では、絶対に行けない場所です。

 おまけに、7話で助けた憧れの女の子が一緒にいるではありませんか。


9『クラスの一軍メンバーと遊んでたら問題が起きる』


 遊びというのは、放課後にみんなで遊びに行こうという話へ。

 そして、カラオケへと向かいます。

 しかし、主人公の持ち歌は、アニソンのみ。

 折角、冴えないダメな男を脱したのに……これでは。

 でも、全く歌わなかったから、場がしらけてしまう!!

 そんなことを思っていると、主人公以外の女の子も歌いません。

 そして——。


「ねぇ、〇〇ちゃんも歌いなよ」


 〇〇ちゃんというのは、第7話で助けた女の子にしよう。


「ごめんなさい。私……歌は下手だから」

「え〜そんなこと言わず……お、お願い」

「えっ……でもほんとうに……」


 強要するような雰囲気が醸し出されて、最悪な空気になる。


10『その問題を無事に解決させ、主人公が輝きます』


 最悪な空気になった。

 だが、憧れの女の子が困っている。

 歌える曲はアニソンしかない。もう覚悟を決めるしかない。

 アニソンの中でも、意外とカッコいい曲を選ぶ。そして熱唱!!


「さて、どうなるかな……?」と思っていたら——。


「うわぁ、めっちゃ上手いじゃん!」

「アニソンもアリだね!!」

「うわぁ〜。テンション上がるわぁ〜!!」


 全力で歌ってみたら、意外と好感触ッ!!!!

 そして、主人公は持ち前のアニソンで、場を盛り上げるのである。


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 っていう感じの流れになります。


 正直な話、4〜10はやりたい放題書けるパートだと思います。

 もうね、腕の見せ所とも言える部分です。

 小難しいのが苦手という方は、4〜10まで全部一話完結型の物語にしてもいいと思います。それでも一応物語としての完成度は保てますから。


 やりたい放題書ける。

 そう言ったとしても、この部分は伏線貼りまくりパートです。

 後々の展開を作るために、こっそりと伏線を忍ばせてください。


「この話を削っても物語が成立するな〜」


 と、思ったら——。


 即刻、書き直すか、削除してください。

 要らない話をわざわざ書くのは、無駄ですから。

 あなたたちが使える弾丸は、15のみ。全て意味があるお話です。

 無駄な弾丸は一度も撃ってはいけません。


 ていうか、飽き性人間ならば、書く意味を見失うと思う。

 私はサボり癖がある遅筆なので、無駄な話は削ってます。

 だって、一話分書くだけでも、結構時間を使うし。

 結局、書いたとしても、後々書き直す暇があるので。

 ならば、最初から削るべきだというのが、私の意見です。

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