アイデア編——面白いへと作り替える——

アイデアは作り替えるものである

 飽き性人間のために、アイデア編のテーマを教えます。


『自分の力で面白いアイデアを量産する技術を身に付ける』


 そして、今からの三話で——。


①アイデアは作り替えるものである

②アイデアは常識に囚われるなッ!

③アイデアはパクって、アレンジする


 皆様には、今から教える三つの方法で、『アイデアの量産方法』をマスターしてもらいたいと思います。


 ではでは、皆さん、楽しんでください。


◇◆◇◆◇◆


 自分の目指す方向性は決まった。

 では、物語を書こう。そう思っても……。


「あ、アイデアがで……出てこないッ!!」


 こんな状況に陥ってしまったことはないだろうか??


 私もアイデアの出し方には、昔から苦労していた。


 だが、逆に良いことを教えてあげよう。


 小説はアイデアゲームだ。アイデアさえ思いつけば、あとは余裕だ。

 アイデアさえ出せれば、その後はもうただの消化試合。如何に、自分が考え抜いた面白いアイデアを、どれだけ文字という媒体に書き起こすことができるかだけの勝負になる。(文字起こしも大変なんだけどね)


 ではでは、そのアイデア術を教えるとしよう。


——アイデアは面白く作り替えるものだ——


 もう一度言うぞ。単純だが、超絶大事だからね!!


——アイデアは面白く作り替えるものだ——


 大変残念なお知らせだが、面白いアイデアというのは天から降ってこないし、神様からのお導きも基本起きない。だからこそ、自分の頭を使って、最高に面白いアイデアを作り上げるしかないのであるッ!!!!


◇◆◇◆◇◆


 今からその方法を実践的に教えていくで。


 本当に何でもいいから、『主人公が〜する話』という話を考えてくれ。


『主語が述語する話』ってのを、適当に一個だけでいいから考えるんだ。


 まぁー何でもいいんだよ。どんな内容でもいい。本当に何でもいいよ!


・主人公が勇者になる話

・主人公が石ころを探す話

・主人公がモテモテになる話


 みたいな感じでええで。


 ちなみに、上記のような内容を、私は”お題”と呼んでいる。

 んで、その『お題』を、どれだけ面白く作り替えるかが重要なの。


※この技術は、ストーリー構築理論編で後々役立ちます


 え〜とね、それでは……。


 一番つまらなさそうだから。


『主人公が石ころを探す話』を面白い話へと、今から作り替えていく。


——河川敷で一人寂しく主人公が黙々と石ころを探す話——


 主人公が石ころを探すというお題で、一番最初に皆様が思いつくのは、これじゃないかな? 違うかな? 私は真っ先にこれが思いついたけど。


 クレヨンしんちゃんのぼーちゃんが、いつも石ころを探してるあの河川敷がね。


「う〜ん、これじゃあ……面白くないよな。どうすればいいか?」


 だからこそ、今からこの物語を、テコ入れしまくるしかないのよ。


「主人公が探す石ころを、宝石に変更したらどうだろうか?」

「その宝石を狙う謎の秘密組織がいて……さらには謎の美少女も関わっているという展開を持ってきたらどうだろうか?」


 という感じで、アイデアを次から次へと作り替えていく。


『主人公が石ころを探す話』



 上記のお題から、私は三つアイデアを出しました。

 一つ読んでくれれば、他二つは読み飛ばしてもらっても構わないです。


①偶然見つけた謎の石ころは、世界の破滅を導く宝玉だった。それを持っていると少年の命が危ないと、とある機関から美少女が派遣される。だが、少年は、その宝玉を口の中に入れてしまっていた。「どうして食べてるのよ……頭おかしいんじゃないの?」と美少女に罵倒されていると、世界征服を企む悪い奴等が襲撃してくる。「おい、小僧。その宝玉をこちらに寄越せ……な、何ッ!? 食っちまっただとッ! なら、お前の腹を切り刻んで、その宝玉を出すしかないなッ!」という展開になって……。


 平凡な少年と謎の機関に属する少女がタッグを組んで、世界征服を企む悪い奴等と戦い、地球の危機を救うアクションコメディ作品。


②魂石と呼ばれる不思議な石ころを探す少年がいた。その石は、百個集めると、死者を蘇らせることができると噂されている。多くの人々がそんなもの噂話だと、少年をバカにするのだが……。


「ボクは絶対に……魂石で死んだ幼馴染みを生き返らせるんだ!」


 死んだ幼馴染みを生き返らせるために、魂石を探す少年のダークファンタジー作品。


③俺はしがないただのサラリーマン。そんな俺には、ちょっとした趣味がある。石ころ探しだ。山や海で採集しているわけだが、これが意外と面白い。時々、宝石や結晶なども見つかって、ちょっとしたお小遣い稼ぎにもなるんだ。おまけに自然豊かな空気に体が癒されるし、一人の時間を楽しむことができる。


 そんな俺が、週末いつものように石ころ探しに山へ行くと——。


「う……嘘だろ……あ、あれは……」


 見るからに柄の悪い黒スーツ姿で、サングラスの男たち。

 その男たちが、ブルーシートに包まったものを運んでいる。

 そして、それを適当に放り投げたあと、男たちは去っていた。


「あれは一体何だったんだ?」


 そう思って、男たちが捨てたものを開くと——。


「ひ、……人の死体だ……う、うげっげええええええええ」


 石ころ探しが趣味な男が、ヤクザの死体遺棄現場に遭遇する話。


——————————————————————————————


 皆様……どうだったでしょうか??


 石ころを探す話よりも、面白い三つの話ができたでしょ??


 一番初めの『主人公が〜する』は、インスピレーションに過ぎません。

 この上で、面白くする発想を継ぎ足していけばいいと思います。


 パスタ料理と同じだと思ってます。


 パスタだけだとあまり美味しくありません。

 だけど、その上に具材やソースを加えることで——。


 ミートソース、ペペロンチーノ、カルボナーラ、和風パスタ。


 と言ったように、変身して、美味しさが二倍、三倍に上がりますよね?


 つまり——。



 平凡なアイデアを面白いアイデアへと作り変えろということです!!

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