第二話 病院内でのモンスターパワハラを伝えるメール
【お疲れ様です。金曜日19時ころから1時間ほど栗原理事長と面談しました。やはりK先生(パワハラ医のこと)のモンスター化が問題となっているようで、近日中に厳重注意とされるみたいです。
それよりも栗原先生は先生(正五郎のこと)の体のことを非常に心配していましたよ。ずっと家の中に閉じこもることによるアルコール摂取の増量が心配のようです。
これからはK先生(パワハラ医)と先生(=正五郎)が合わないように環境設定されるみたいです。
もうしばらく落ち着いたら ope (手術のこと)をする際には 私と一緒に行えることになりましたよ。
来週水曜日に理事長先生とお会いするようですが、先生(=正五郎)の希望をはっきり言った方がいいですよ。
K先生(パワハラ医)は順心病院の外科Drやスタッフからもかなり批判されているようですから。
くれぐれもアルコールに流されないようにしてくださいね】
① これから先、数々のメールが紙面に登場し、パワハラ医が正五郎に接近しないよう様々な手当てが病院によってなされるものの、それを有名無実化する数々のパワハラの存在とパワハラ医の協力者としか言いようのない腰ぎんちゃく(私の感想だが、後に述べる事実から、病院内の良識派の主だった人たちも同様の認識を有していたらしい)とその彼からの正五郎へのメールの存在。また、このメールにある良識派のDrとの共同のope(手術)にさえ嫌がらせともいえる越権行為がなされることも後に述べるが、取り敢えずは、パワハラ事件の端緒を飾る新証拠メールとしては、本メールに勝るものはないと考え、ここに第一番目に掲載させてもらった。
② さて、執拗なパワハラによるフラッシュバックに悩まされ、正五郎が急性心不全で亡くなる9ヶ月前に送られてきた良識派の方からのメールが上記のものであるが、僅か9ヶ月の間にどれほど執拗なパワハラを仕掛けて来たか。このメールだけでも推測できるが、我々夫婦にとって重要なことは、正五郎が手術ミスを犯したのがこの年の1月7日であることであって、この点は順心病院が加古川労働基準監督署長に提出した書面で明らかになったのである。労災申請書面の記載どころか、その受け取りさえ拒み続けた病院だったが、この提出書面により、ようやく我々夫婦の手元に、10年近く疎遠だった正五郎の、その生活の実態を手にすることが出来たのである。
③ 正五郎が親、特に父親である私に反発して10年近く疎遠であった理由は折々述べることにするが、事務長が否定するパワハラとの関係では、本メールにあるごとく、2月21日現在の時点で、病院内部でパワハラ医の執拗なパワハラが【モンスター化】という表現で共有されているという事実である。正五郎が手術ミスを犯したのがこの年の1月7日で、これを起点として指導医と称する男の激しいパワハラが始まったことは、後の数々のメールからゆっくりと明るみに出して行きたいが、以下ではパワハラの起点となる手術ミスについて述べてみたい。
④ 1月7日の正五郎の手術ミスについては、理事長が息子と共に患者さんに謝罪してくれ、また来院された患者さんに再度、正五郎本人が謝った際も、「いいですよ」と許してくれて通院を続けられたようであるが、我々夫婦には患者さんの氏名を知らされていないので、分かり次第、親として謝罪して、また事務長が私に告げた数々のことが本当に事実なのか、詳しい事情をお聴きしたいと考えている。患者さんの氏名及び住所については、これまでも調べようと手を尽くしたのだが、個人情報保護の名のもとに、患者さんにはお会いできずに終わっている。
⑤ ところで、読者の方は奇異に思われるかもしれないのは、脳神経外科医として著名な栗原英治理事長が、正五郎が神戸大医学部の後輩であったとしても、手術ミスを認めて患者さんに一緒に謝ってくれていることである。順心リハビリテーション病院の岡事務長は、「理事長はうそをつかない人ですから」と、全幅の信頼を理事長に寄せていて、理事長の行為を裏付けている。息子正五郎も後に掲載する親友医師へのメールの中で、「理事長には恩義があるから」と強い感謝と共に医師としての高いスキルを称賛している。
⑥ところが、息子正五郎への執拗なパワハラについて、順心加古川病院の事務長が声を震わせながら、「指導と主張させてもらおうと思っています」との私への言動を、病院として是認している節があることである。妻と私の面前で、順心加古川病院の温厚な病院長が、「あれは指導なんてもんじゃないですよ」と明言したにもかかわらずである。もちろん、病院長のその発言を事務長も聞いていたし、女性事務員の方も聞いていた。以上は、9月に妻和子と共に正五郎の休職届を提出に行った折の、病院長との会話の中で交わされた内容であり、最初に摘示した、先ほどの良識派の方のメール内容―――パワハラ医のパワハラが病院内でモンスター化しているとの認識―――この病院内での共有認識事実の存在を、メールで送ってくれた半年余り経過しての出来事である。
⑦ 今後、数々のメールが本紙面に登場するが、パワハラ事件の端緒を飾るものとしては本メールに勝るものはないと考え、先述したように、ここに掲載させてもらった。しつこいとお叱りを戴くかも知れないが、執拗なパワハラによるフラッシュバックに悩まされ、急性心不全で亡くなる9か月前に送られてきたメールである。僅か9か月の間にどれほど執拗なパワハラをその後も仕掛けて来たか、このメールだけでも推測できるが、繰り返し重要なことは、2月21日現在の時点で、病院内部でパワハラ医の執拗なパワハラが【モンスター化】という表現で共有されているという事実である。正五郎が手術ミスを犯したのがこの年の1月7日で、これを起点として指導医と称する男の激しいパワハラが始まるのは、後の数々のメールや出来事から明らかにして行きたい。
⑧ 1月7日の正五郎の手術ミスについては、先に述べたように、理事長が息子正五郎と共に患者さんに謝罪してくれて、また来院された患者さんに再度、正五郎本人が謝った際も、「いいですよ」と許してくれて患者さんは通院を続けられたようであるが、我々夫婦には患者さんの氏名を知らされておらず、分かり次第、親として謝罪して、詳しい事情をお聴きしたいと考えていることも既に述べさせてもらった。
⑨ 我々夫婦も迂闊であったのは、正五郎が我々に反発し、10年近くの間、我々に会うことを拒んでいたことから、当初パワハラによる鬱の存在を知りえなかったことであった。ただ、息子の窮状を知りうべき出来事は確かにあったのである。執拗なパワハラに悩まされ耐えられなくなってのことであったのであろう、飲酒のせいで、駅構内で倒れてしまった。2021年1月(日時は後日確認した結果、13日)に救急隊員の方から電話があり、息子さんが駅の構内で急性アルコール中毒で倒れられたが、病院への搬送を拒んでいるのでどうしたらよいか、との電話内容であった。隊員の方に直ちに救急搬送してくれるよう頼み、すぐ妻を車に乗せて和泉市の自宅から搬送先の、王子公園駅近くの吉田アーデント病院へ駆け付けた。
⑩ 妻は眠っている息子に朝まで付き添い、私は車内で過ごしたが、正五郎と顔を合わさなくて本当によかったと思っている。後に述べるように、患者さんを助けもせず外科のスタッフの方たちの懸命の措置を、ニヤニヤ笑いながら傍観していたパワハラ医に、人前で激しく罵られ耐えがたい屈辱を何度も何度も味わって来たのだ。そんな息子に、医者が酔っ払って駅構内で倒れるとは何事か! と叱ったりすれば、それこそ仲直りもできずに息子を見送る羽目に陥っていたであろう。
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