ダンジョン&宝箱荒狩り悪役編

第26話 悪役、やっと、やっと気づく

「ああもう! 俺はバカだ!」


何故俺は今までしなかったのだろう?

このゲームの完全クリア者だ、勿論全てとは言わんがほとんど知っている。何が言いたいかと言うと……隠された宝箱漁れば強くなれるだろう? という事だ。


「休みはあと2日……アイツらに着いてこれらたら困るから……よし、今から行くか」


俺は部屋を出る。魔族に襲われたらバッドエンドだが幸運者の俺に限って魔族に襲われる事はないだろう、ははは。


「最初行くとしたら……やっぱりあそこだろ!」


休みが2日もあれば行ける幅も広がるな。

魔法書はいらん。あーでも高ランクの魔法書に必要な魔法陣だけを追加すればいいか。

前言撤回! やっぱ魔法書はいる!


キア達はいないな……よし、レッツゴー!


「ん? アンタここで何してるの?」

「櫂さんっすか……」

「周りキョロキョロ見て、その服装なら怪しまれるわよ?」

「いや、少し理由がありましてね……ちょっと自分行かなければならない所がありまして……」

「それはアタシも着いて行っていいかしら?」

「ダメ!」


そう、着いてきたらヤバい。そうだな、簡単に言うと勘違いされるし通報されるし変態だと思われる。


「ダメって言われたら気になるわね」


ニヤニヤしながらそう言ってくる。お前人間だな。


「ダメなもんはダメです。お願いします帰って下さい」

「別にいいでしょ? アンタの事だしそこまで重要なことではないでしょ」

「重要ではないけど……勘違いされるって絶対」

「何も勘違いしないわよ、言ってみなさい、何処に行くか」


俺は周りに誰もいないことを確認する。目的地を発表しようか。


「人の家です」

「……男か女、どっち?」

「後者です、お金持ちの家です」

「とりあえず警察に通報するわね」

「だから勘違いされるんだよっ!?」

「なんでそこに行きたいの?」

「自分の大切な物がそこに置かれていて…」

「下着……?」

「んな訳ねえだろ!?」


人の家に隠し宝箱があんだよ! 正規ルートではないけど無属性魔法使って取れるんだよ!


「じゃあアタシが着いていくわ、何か変な行動したら通報するから」

「はい……」

「少し話したい事もあるからね」


一応宝箱の位置は屋根上だ。


「最近ね、蓮君に話す厄介人が増えたの」

「櫂を合わせて3人目か」

「そう。負ける訳にはいかないから……」

「俺に手伝えって言うんですよねわかります。拒否しても何かされるんですよね……何でも屋じゃねえってのに!?」

「やり方は簡単よ、貴方が蓮君を誘うの。まあ2人と距離を離すだけでいいわ。で、何かしらの理由をつけて消えてちょうだい」


言い方怖いな……。まあそれが一番簡単だな。


「おっ、あれだ」

「随分でかい家ね、この家の何処に用があるの?」

「あの屋根の上に超小さな小屋みたいなのがあるだろ?」

「ああ、あれね」

「あそこに行ってくるわ」


そこに宝箱がある。中身は後からのお楽しみという事で……まあ金なんだけど。今の俺からしたら結構必要だ。


「とりあえず行ってくるわ。〈魔力鏡リフレクター〉! 〈魔力弾マナバレット〉!」


無詠唱だと効果、力が弱くなるが今はそれが丁度いい。


「ごふっ、痛え……まあお目当ての宝箱の入って小さな小屋にこれたから……」


そうしてあける。あったのは銀箱、中身には大量のお金。金は後々必要になってくる、あった方がいい。


「200万じゃ〜」


百万円の札束を2本手に入れる。うまうま、がっぽがぽじゃい! 次は戦闘用武器がある所に行くぞ〜!


「あら、凄い大金ね」

「あそこに入ってる事を知ったますからね。とりあえず自分はもっと人の家とダンジョン漁りますけど……」

「私は手伝えって事は言えたし帰るわ。またね」

「はい、出来ればもう来ないでくれ」


櫂が遠くに行ったので次なる目的地に進む。待ってろよ強武器! 俺が扱ってみせる!


と、心の中で決意する。


次の目的地は……S級ダンジョン入り口だ。







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主人公に殺られる悪役にハッピーエンドを〜バッドエンドを避けるためにストーリーを崩壊させたら皆から好かれていた件〜 紅葉司 @supiayut

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