主人公とお出かけ

第25話 悪役&主人公の悔しい遊園地

今回凄く短いです……。


☆ ☆ ☆



「愁君! お出かけ行こうよ!」

「行きます」


妹のお陰でお金にも余裕がある。



「回る場所とか決めてないけど……どうしよう」

「適当に歩こうぜ、欲しいのがあったら買うでもいいと思うぞ」

「それもそうだねっ! じゃあ行こう!」




「遊園地ー!」

「やっぱ最初はジェットコースターだよな」

「だねっ、早速行こう?」

「おう」


ジェットコースターに乗る。俺は慣れてるので発狂はしないだろう。主人公はどうだろうか?


「ぐっ……うわっ」


主人公は耐えていた。流石だ、だが叫んでもいいんだぜ?


「ぐぅぅ……」


頑張って耐えておりますなぁ……。


「ッ!?」


惜しい! 頑張れ!


「わああっ!?」


叫んだけど……短いな、もっと長く叫んでほしいんだがな。


ジェットコースターは終わる。叫び声が聞こえなかったのは残念だ。周りはうるさかったんだがな……。


「しゅ、愁君はなんでそんな平気そうなの?」

「経験者なんだよ」


この速さよりもっと、もっと速く空を飛んだんだ。いや、飛ばされた。


「次はお化け屋敷だな」

「お化け屋敷なら僕でもいけるよ」

「そうか……」

「何で残念そうなの?」

「なんもないよ」


そうしてお化け屋敷に入っていく。まあ難なくクリアと……。


「フリーフォール乗ろうぜ」

「えっ!?」


フリーフォール、乗ると高い所まで運ばれ、落下、それを楽しむ。


「安全だから安心しろ、高さ75mから落ちるだけだ」

「こっ、怖いよっ!?」

「いけるいける。さっ、乗るぞ」

「わかったよ……」


今度こそ叫び声を聞かせてもらおうか。


「えっ……」

「ん?」


ぶーっとスマホが鳴る、俺のではなく主人公のだった。


「ごめん、ちょっとお母さんから呼ばれちゃった」

「……マジか」

「本当にごめんね。またいつか遊ぼう」

「おう、またな」


悲鳴は聞けなかったか……。


なんだかんだ一番悔しかった日だったな…。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る