色とりどりな青春?

氷雨業

プロローグ 嘘

2年前

 俺、黒宮慎太くろみやしんたは青春がしたい。


 中学3年間を棒に振って、見事に陰キャ生活を送っていた俺だが高校入学と共に一大決心をした!


「彼女とまではいわないから青春生活を送るぞ!」と


 現在 高校2年生こと黒宮はトイレの個室で悩んでいた。


 「あれれー、高2になったけど友達1人もいないぞ?どういうことだ~?(すっとぼけ)」


そう、彼は高校デビューに失敗したのである!!!


 というのも、友達を作ろうと頑張りはしたものの見事に撃沈。

黒宮は最初こそ仲良くなったけど2日目以降は、「あれ、どんなかんじでいけばいいんだ?」という気まずい感じで話さなくなってしまうのだ。

よくある、〈よっとも〉(挨拶するぐらいの仲)にすらなれないという…


なんやかんや教室の隅で読書をしながら寂しく1年間を過ごした黒宮だが、今年こそは青春するぞとうなっている最中だった。


 「新クラスになったわけだし、俺の逆転劇を見せましょうかね」


とりあえず教室に戻ってホームルームでの自己紹介ではバシッと決めるぞ。


朝、始業式がおわり教室にて


「はーい、私がこの2年3組の担任になった虹色文香にじいろふみかです!皆、初対面の子が多いと思うけどよろしくねー?」


俺のクラスの担任になった虹色文香先生こと、にじっちゃんが最初の挨拶をしていた。

にじっちゃんは、20代後半(予想)の美人な可愛い感じの先生だ。

これは幸先いいな。


「それでねー、定番の自己紹介をしてもらおうと思いまーす!」


きたああああ! ここで逆転して最強の生活を勝ち取るぜ!


「それでは出席番号順にお願いしまーす」


次々と自己紹介をしていって、ある人物に皆注目した。


「私は、赤西沙良あかにしさらといいます。えーと好きな食べ物はりんご?です!  よ、よろしく!」


なんだか緊張していて不思議な感じだったが、注目するのはそこじゃない。

めちゃくちゃ美人なのだ。

なんだ、天使かと思ったぞ。


 こりゃ、俺もかっこつけないとなあ、とおもっている間に俺の番が来た。


「えーと、黒宮慎太です。 趣味はカフェで勉強や読書をすることです。よければ一緒にカフェとか巡ってくれる人とかいたらうれしいです。よろしくお願いします。」


きまったあああああ!これは!これは完ぺきなのでは!?


うっはー!別にカフェなんて普段いかないインドアだけど嘘なんてばれるわけないしなー!


と思っていたらいつの間にか全員の自己紹介が終わっていた。


「はーい、10分休憩したら始業式ですからねー」


にじっちゃんがそう告げるとチャイムがなって休憩に入った。


皆、がやがやし始めて俺も期待していたのだが、おかしい誰もおれのところに来ない


あれ、俺完璧だったよな?


と思っているとこちらを睨んでいる視線に気づく


そしてこっちに来た。


「ね、ねえカフェ巡り?とかいうの私が付き合ってあげてもいいわよ?」


「え、えーと…え!? なんで…」


「今日の放課後、約束ね。」


マジでびっくりした。なんたって俺に話しかけたのはまごうことなき天使みたいな美人、赤西沙良だったのだ。


ていうかツンデレ要素入ってない?


続く




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色とりどりな青春? 氷雨業 @hisame-gou

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