見つけてくださってありがとうございます。
「近畿地方のある場所について」
多人称視点で綴られるホラー小説。
切り取られた記事、作者の語り、ネットからの情報やインタビューのデータ。
数々の断片的な情報が書き記されており、読むにつれて少しずつ。点と点を線で繋ぐように本文の真相がわかっていく……
かと、思いきや!
終盤で明かされる衝撃の事実。
消えた作者の友人。
作者は何故この文章を書いたのか。
全てが繋がり、現実と創作の境目があやふやになる今作。
8月8日には映画も公開予定!
この機会に。この夏に是非読んで頂きたい作品です。
私も友人や家族に勧めたいと思いしました。
雑誌記事の切り抜き、インターネットへの書き込み、個人へのインタビュー。
パラパラと語られる個別の怪談が、川の支流のようにいくつかの流れに沿って紐づけられて行き、やがてぼんやりとした輪郭が浮かび上がってくる。
個々の話の怖さやリアリティも素晴らしい上に、全体の構成や、ネット小説という媒体をフル活用したストーリー展開に完全に引き込まれました。
続きが気になり一気読みしたい衝動に駆られながらも、一話進むごとにこれ以上先へ行っては行けないのでは?という不安に襲われるという、滅多にない体験でした。
大変面白かったです。書いてくださってありがとうございます。