35.2℃

第1話 平熱。

平熱35.2℃のあたしには

あなたの手は熱すぎて泣きたくなった

この握手はさよならのしるし


約束なんて要らないって言ったっじゃない


真夏の35.2℃の道端は

倒れそうで思い出し逢いたくなった

あたしの熱 さよならの残り


友達なんて呼ばないって約束して


だって一生すきなのに これからも想い続けるのに

ずっとすきなままなのに 忘れるなんて出来っこないのに

ごめんね、だなんて言うのなら その熱で溶かしてしまってよ


平熱35.2℃のあたしでは

この季節は冷たくてやりきれないよ

思い出すのはあなたのぬくもり


青の時なんて言ったら良かったのかな


ずっと纏わりついたまま あたしから離れてくれないの

もっとすきだって言えば良かった でももう出来やしない

ごめんね、と残してゆくなら 今すぐここに戻ってきて


約束なんて要らないって言ったけれど

一生一緒にいてって言えばそれは叶たのかな


だって一生すきなのに これからも想い続けるのに

ずっとすきなままなのに 忘れるなんて出来っこないのに

ごめんね、だなんて言うのなら もう二度ともとに戻れないのなら

あなたの熱であたしを溶かして消して…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

35.2℃ @m-amiya

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ