苦くて甘い、恋をした。

プロローグ

大4、12月。

今日は高校の部活の同期会。

集合場所の駅前は人で混み合っていた。

1人、また1人と人が集まり、

「久しぶりだね〜」

「ちょっと雰囲気変わった？」

なんて、当たり障りのない会話で盛り上がる。

そして1番最後に彼は駆けてきた。

「お待たせ、ギリギリセーフ？」

少し緊張していた私がバカみたいって思うほどの笑顔で、

笑った時の目尻のシワは、7年前と何も変わらなかった。

苦くて

苦くて

甘くて

甘い

青春の、懐かしいにおいがした。