第2話

テーブルトークRPG知ってる?

そう、演技を入れてダイスを振ったりカードを出して判定して遊ぶゲーム。

今じゃ、オフラインだけでなく、オンライン上でも出来るからいいね。


私は結構イレギュラーな入り方をしている。

有名なファンタジー小説のアニメを友達と見ていて

「こういうの遊べたらいいよなぁ・・・・・・」

って言ったら、見せてくれた友達が

「できるよ」

って言ったから皆で

「やろう!」

って返事したんだよ。

その友人は結構独特な感性を持っててね。

好きなものは貫くし、プラモデルも国内のじゃなくて外国のものを持っていた。

結構、几帳面でね。少しでも本を折り曲げようとしたら怒られたよ。

今じゃ、何かのデザイナーやってるのかな?


そして、ダイスを振って遊ぶ。

正直、ルールや世界観なんて二の次。

訳の分からない設定を作って気がついたら原作者の方が激怒するような遊び方をしていたかもね。


よくある洞窟に魔物がいる。

普通だったら中に入る。時々焼き打ちするとかいうのもあるけど、

私の友達は面白かった。

「魚を釣ってきて、焼いて美味しそうな匂いでおびきだそう」

といったので皆笑った。ゲームマスターの友達は苦笑しながらも

「それじゃあ、釣れるかどうか、そして匂いが洞窟の中に入るかどうか判定しようか」

「匂いを洞窟に向けるために風の魔法使っていい?」

「いいけど、マジックポイント無駄に消費するよ」

「いいよ!」

「はいはい」

どこか大人びた子だったけど、無茶苦茶な提案も受け入れて

それなりのペナルティやリスクを背負わせた。

正直、今の私はあの柔軟な対応は出来ないかな。

まぁ、長い間仲が良かったからかもしれないね。


その後は世界中を回ったり、当時流行ってた小説の騎士や魔術師がNPCとして参加して一緒に戦ったりもした。今でいう「身内卓」だから許される事だろうね。

伝説の武器欲しさにライバルキャラに勝てもしないのに猛烈なアタックをしかけたり

私はプロレス好きだったからダメージ無いのに技を出したりした。

あぁ、何故か街に入る度に男女構わずナンパしてたキャラを作ってた人もいたなぁ。

・・・・・・その度に誰かが止めたけどね。


結局は当時のメンバーはやらなくなったけどたまに会ってる。

それぞれ、事情はあれどもご飯ぐらいは食べてるかな。

多分、今のやり方だとまったく分からないだろうね。ハンドアウトとか無かったし。

私も再開した時

「これ、どういうシステム?」

って何度もルールブック読み返しては、試したりした。

結構色んなシステムで遊んだし、色んな人と遊ばせてもらった気がする。

楽しかったよ、白熱もした。

でも結構間違えたし、今で言う「地雷」かな?

人の踏み込んではいけないところに言ったかもしれない。

そこは気をつけなきゃいけないかなと思ってる。


私も年だし、頭が硬いから設定が分からない時がある。

若い子から今のやり方を教えてもらわなきゃいけないかな。


でも皆で楽しみが分かち合えるってのはいい事だよ。

こんな世の中だからこの時にって楽しめる事があって、

ちょっと嫌だけどお仕事とか学校行こうかって気になるからね。

でも私は少し入れ込み過ぎて体調崩しちゃったから、もう少しお休みもらう事にする。やっぱり若い子から教えてもらうにはもう少し大人らしくありたいからね。


さて、お話はこれでおしまい。

またどこかで。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

そういうおはなし 睦 ようじ @oguna108

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ