文明から隔離された孤島、因習のために苦しむ人々を救わんとした、とある疫病学者のお話。
離島を舞台にしたホラー掌編です。
タイトルは「ワン・イシュー」と「因習」の掛け言葉。いわゆるダジャレのように見えて、しかし内容そのものは大真面目なところが魅力のお話。
しかも、ただタイトルのために掛け言葉になっているのではなく、きっちり作中でその意味が消化されているところも。
こういうのとても好きです。「おおっ」ってなる感じが気持ちいい……。
特に最後の展開、説得力というか心地よい納得感が好きです。
コンパクトながらまとまりのよい、まさにショートショートといった味わいの作品でした。