心の穴

メメタ

第1話 

僕には、ナオという大切な人が今はいる。

誰にも渡したくない大切な人がいる。

でも、それは突然の告白により壊れた。

ナオ【違う人を好きになった・・・・】

その一言で世の中が、世界が真っ暗になった。

18歳の自分には途轍もなく途方もなく終わりの言葉になった。

でも、ナオの事が好きだった。

1人毎日公園のベンチで付き合い始めた日々を思い出し、溢れてくる思い。

やっぱり好きだ。

それでも好きだ。と心で思っていても伝わる事もなく、沈んでいく太陽と同じように僕自身も荒んで行った。

忘れるために色々な事をした。

新しい彼女を作れば、過去の自分を忘れられると思った。

思うさ。知らないんだよ。自分が何に夢中になれるか。

ずっーとナオに夢中だったから。

ただそんな自分をなかなか変える事ができない。

まるで太陽が上り降りていくのと同じように、

当たり前だった事を変えるのは世界に、自分の生き方に、全てに自己否定することになると心で思ってしまう。

怖い。

僕が壊れるのではないかと怖い。

強がって生きてるけどしんどい。

見栄や虚勢を張って形成してきた自分を壊すのが怖い。

死にたいと何度も何度も思うけど、怖くて死ねない。


僕を形成していた、要素がなくなるのが怖い。


騙されて嘘つかれて裏切られても、愛しているのはその為かもしれない。


自分が自分でなくなるからなのか、現実を受け止められないのか、本当に辛い。


でもきっと嫌いならここまでは思わないんだと思う。


嫌いなら楽だったのに、、、

何をされても嫌いにはならないんだろうなぁ


ただ、我慢も出来ない、注意してしまう。

怒ってしまう。

言い合いもしてしまう。


許せる優しさを持てない自分の器の小ささに幻滅してしまう。

もっと良くなってもらおうと思って行った事が、

ナオを追い詰める。


どうすればいいのかわからない。


俺には何も残っていない。


でも死なない。


怖いから、どうしても、捨てられない思いがある。


子供を悲しませたくない。


子供の為にも落ち込んでる場合じゃない、


心に空いた穴を子供で埋めてもいいかな?


子供よりナオがずっと好きだった。


病気になったり、弱っていくナオを守り続けると思ってた。


そんな僕を子供は許してくれるかな、、、、、


もし許してくれるなら、残りの人生子供の幸せな為に使いたい。


その為にも


強く生きていたい。


誰よりも強く生きたい。


誰よりも幸せにさせてあげたい。


僕の分もナオの分も、、、


それでも2人とも愛しています。


いつもの道を帰り、いつもの玄関を開け、座っているナオがいて、子供と一緒に笑いながらテレビ見て、そんな当たり前を夢に見ながら生きていく。



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心の穴 メメタ @mameta55

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