私は自分勝手
あぁ、大失敗をしてしまった。どうしよう私のせいで負けになってしまう。朱さんにもきっと期待外れな思いをさせてしまった、あぁ、なんで私はこうなんだもっとちゃんと出来ることがあったはずなのに。
思いが積もるごとに早歩きだったはずの足は、走り出してしまっていた。勢いよく客室の扉を開閉して背負っていた琴を下ろす。ドンッと壁にもたれかかり、そのままズルズルと座り込んだ。
「……っ」
膝を抱え顔を埋めた。腕を青あざができるくらい強く握ぎった。私は逃げてきてしまった。あの空気が重たくて耐えられなくて。姉を残してこんな部屋に閉じこもって。
(自分勝手だな……私は)
どうしようもなくなって自分を責めた。責めることでしか気持ちを保てなかった。目頭が熱くなるのを止めることはできなかったが、泣いているのを誰が聞いているでもないが、知られたくなくて声を殺していた。
どれくらいそうしていたかはわからないが、誰かが廊下を歩く音が聞こえ、
ゆっくりと足音が廊下を渡る。床を軋ませるその音が通り好きるのを期待していた。しかし、無情にもそれは彼のいる戸の前で止まってしまった。戸へ差し込む光が床へ映し出される。落ちた影は曖昧な人の輪郭を作っていた。きっと外の影は声をかける。そう直感的に感じた
「瑶晩……私は大丈夫です」
「……」
あの惨状の
「
「……兄さん」
「っ……」
「兄さん。開けて欲しいな」
会う資格がないと思っているからこそ、声が出なかった。
「……」
「兄さんいるの知ってるよ?」
戸の向こうから優しく穏やかな声が耳を撫でる。
「……」
それでも
三つの罰に縛られて 柳鶴 @05092339
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