時間のある時に、壊れかけたパソコンで

@ytt

第1話

 私はある一人の高校二年生だ。今日は日曜日だが、友達と遊ぶことも、勉強することもなく、ただただ時間を浪費している。と、ここまで書いて手が止まってしまった。このままでは私のいとまを記録するだけの文章へとなりつつあるのではないかと恐れたからである。


 現代の高校生において、いやもしくは過去の青年期の人間も、はたまた私にかぎって、「暇」であることは恥である。私のような年頃のものはいわゆる「青春」を謳歌することこそが正義であって、暇を持て余すことなどその対極である、とは最近よく自己嫌悪に陥った私が考えることだが、このような意識を持った人間がほかにもいるのだということは高校生として生活していれば分かってしまう。


 とはいえ、このように私自身のあり方に疑問を持つことも、いわゆる「青春」なのかもしれない。しかしいまの私は、「青春」の定義について論じたいわけではないのだ。どちらかといえば「青春であるかないか」で片づけられない空虚な心のありかたについて話したいのだ。もう大人であるあなたには、まだそんな年ごろではないあなたには、もしくは自分の「青春」に満足しているあなたにはこれ以上なく迷惑な話だろうが、もしよかったら私の人生の空虚な部分を一緒にさまよってはくれないだろうか。


 

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