異界送蛍提灯ノ夢祭

閑話

　とりいの向こうから、おはやしが聞こえる。人の足音が聞こえる。楽しそうな人の声が聞こえる。せかいがにぎやかになってる音がする。うれしいね、ひとりじゃないね。おまつりだね。しあわせ…？だね。みんなが来てくれてうれしいな。もう、さびしくないね。

　とりいの向こうでかすかにうごく感じがした。うれしいなぁ、また一人来てくれたんだ。その人は、とりいの中からはよく見えなかったけど、まるで今家から出てきたみたいなかっこうだった。どこかふんわりとした目をしてた。ここにさそったから来てくれたんだ！来てくれてありがとう。一生、ここにいてくれるようにわたしは「おまつり」をつずけるよ。ずっと……ずっと…………………