ヤンデレヒロインとぬいぐるみ

結城 優希@毎日投稿

ヤンデレヒロインとぬいぐるみ

某日某所

 私が幼稚園児のとき、祖母に買ってもらったクマのぬいぐるみを探していた……


 「お母さん、私のぬいぐるみ知らな〜い?」『え?何のぬいぐるみよ。』「クマのぬいぐるみだよ。クマの。」『そんなの知らないわよ。』


 (そんなのって……お母さんは使い物にならないわね……はぁ、どうしよう。おばあちゃんとの思い出のぬいぐるみなのに……)


 そう、このぬいぐるみはただのぬいぐるみでは、ないのだ。先月他界した祖母が私の誕生日にとプレゼントしてくれたもので当時の私の1番の宝物だった。祖母の葬式時にそのぬいぐるみのことを思い出してこうして実家に探しにきたのだった……


 (ない、ない、ない!どうしよう。おばあちゃんにプレゼントしてもらった大切なぬいぐるみだったのに……大切な……そんなぬいぐるみを放ったらかしにした私のバカ……)


 「お母さん、本当に知らないの?」『知らないわよ〜あ、でも去年の断捨離の時になんか、薄汚れててボロ雑巾みたいなぬいぐるみを捨てたような……』「あ゙?」

 

 『でもクマのぬいぐるみではなかったはずだよ。クマ耳なかったし。うん、なかった。』「なるほどねぇ。私当時が遊んでて耳の綿が無くなっちゃってた大切な大切なぬいぐるみを捨てたわけねぇ……」

 

 『いや、その悪気はなかったというか。その、あの、ごめんなさい。』「お母さん、謝罪だけで何やっても許されるなら警察はいらないんだよ。」

 

 『あ、えと、その。』「もう良いよ。見苦しい言い訳なんて聞きたくない。クマさん、あなたの仇は討つよ……」『え?ちょっと何を持って……』「何って包丁だよ?」

 

 『ちょっと落ち着いt』「私は冷静だよ。でも、決めたの。仇を討つって。だからねお母さん、お母さんには死んでもらうよ。」『じょ、冗談だよねぇ。ウソでグハッハァハァ』

 

 「フフッ仇は討ったよ、クマさん。私もすぐに行くわ。待っててね。大好きだよ。」

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