いつもの朝
第1話 いつもの朝
リリリ…リリリリリリ…ジリリリリリリ…ジリリリリリリ…
6:20。いつもの時間に目を覚ました黒乃は頭上で鳴る騒音の主を静めた。
意識がはっきりとしないまま、手癖で枕元のスマホを手に取り眺める。
[すずめおやすみ!また明日ね!]
[俺のことわかるー?HR終わりに話したんだけど]
[今日下校の時交換した人です!明日たくさん話そうね]
他にも数件とどいていたが顔と名前が一致しないため、返信することをやめた。
あまり頭が働いていないが、色んな約束をした記憶は何となくあるようだ。
「よし、準備準備!早めに行っちゃおう」
そう言うと黒乃はベッドから跳ね起きた。
8:00。学校に着いた。寝不足気味な黒乃にしては早い到着だ。
早めに着いたと思っていたが、思っていたよりみんなも早かったようだ。
「あっ!すずめおはよう!!」
いつも黒乃の霞んだ世界を晴らしてくれるのは彼女だ。
「おはよう玲愛、いつもに増して元気だね」
「もちろんだよ!こうやって話すのも久しぶりなんだから!!」
たしかに、どこか懐かしい気がしていた。
授業が始まるまで意味もなく会話をし、授業が始まる。
そうしていつの間にか昼休みになり、お昼ご飯になる。
「時間の流れってほんと早いなぁ」
気づけばこんな言葉を口にしていた。
「黒乃さんって意外と中身おじさん…!」
「確かに、すげぇギャップなんだけど」
そう口々に言うのは、昨日下校の時に交換したらしい反町夏海と、HR終わりに話したらしい丸尾柊人だ。
やけにグイグイくるなぁと思ったらこの二人は玲愛の知り合いなんだとか。
「すずめはね~実は人生100周目だからおじさんを超えた全知全能的な何かなんだよ~」
「たしかに!すずめちゃんなんでも知ってそう!歩く広辞苑みたいな…!」
…私なんだと思われてるんだ
「あれ教えてよ、あのーー卵が先か焼き鳥が先かみたいなの!」
「調理されてる!?」
…あれ…なんだこの間は…
「黒乃さんって、ツッコミキャラなんだ」
最高の高校デビューを果たした私であった。
監獄の中の私 @hinoreimei
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