第16話 嫁(下僕)、姑(のおネコ様との)戦争

こんばんは。


下僕こと、鬼嫁です。


一部の界隈(お姑さんのおネコ様たち)で鬼として知られています。


「あいつはヤバい」


「わしらのおかーさん、優しいから、騙されてるぞ」


と聞こえてきそうな警戒ぶり。


下僕、お姑さんの家のおネコ様に嫌われています。


お姑さんのネコの話は、いつかします。


心が洗われるようないい話です。


下僕と違い。


今日は、なぜ嫌われたのかの原因について話します。


ええ、とっても明確なんです。


「下僕子ちゃん、相談があるの。動物病院紹介してもらえない?」


「いいですけど、どうしました?」


「下僕子ちゃんに勧められてたし、多頭飼育崩壊の番組を見て、避妊手術しようと思って……」


お姑さんのおネコ様は、元野良ネコかーさんが一宿一飯の恩義でお礼に置いて


いかれた半野良ミーちゃんさんです。


野良の誇り高いスピリットを色濃く継承し、昔ながらの飼育環境のため、


半野良ミーちゃんはすぐご懐妊出産されました。


もちろん、子猫もらってって言われないかと、下僕は浮足立って待っていました。


しかし、生まれたのは一匹だけ。


お姑さんは、半野良ミーちゃんと子猫を飼いはじめました。


そして、さっきの会話になりました。


避妊手術の費用の一部、数千円が市からの補助で出ます。


しかし、大半以上はお姑さんの自腹です。


それでも、お姑さんは、身銭を切って手術を受けさせました。


せめてものお手伝いで、動物病院への送迎を行いました、下僕が。


そうです。


それまで、嫁(下僕)と姑(のおネコ様)の仲は、良好でした。


下僕は、経験的に知っています。


『賢い子から一発捕獲』


これ絶対の法則。


次々あっさりとつかまりました。


なんなら、我が家のおネコ様たちと違い、お姑さんのおネコ様たちは抱っこOKっ子


ばかり。


グギギギギギ、ずるいよぉ~。


でも、彼らは知りませんでした。


ペットキャリーのこと。


そこに入るとどうなるかを。


そうです。


下僕は、涼しい顔して捕まえては檻に入れ、得体のしれない、痛いことされる


場所へ連れていく、危ない人誘拐犯認定されました。


避妊手術以降、お姑さんのおネコ様たちは、下僕の目の前に現れなくなりました。


大黒柱と下僕の乗った車のエンジン音が家の前で止まると、脱兎のごとく


いなくなるのです。


「鬼が来たぞ!!!」


彼らは、そう言っているに違いありません。


下僕は、彼らの姿をあれ以来、見ていません。






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ねこの下僕の日報 岡田 悠 @you-okada

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