怪力乱神、拳で語る
倉石夕タ
序
聖者が語らぬものがある。
たとえば怪。理解の外にある異形の伝説。怪奇、怪談、怪物、怪人。
たとえば力。理屈の外にある異能の戦闘。超人的な武力や暴力。あるいは超能力。
たとえば乱。理知の外にある異常な事件。平和な日常に、叛いて騒いで壊して狂う。
たとえば神。理性の外にある異界の法則。神秘の領域。触らぬ神にたたりなし。
聖者が語らぬあやしき話をましてや拳で語るというのなら、それはよほどの愚者なのか。
鋭い眼光。傷だらけの体に鉄の拳。惑わず憂えず懼れない。怪異を薙ぎ倒し、暴力を叩きのめし、混乱を打ち砕き、鬼神と殴り合う。怪力乱神、聖者すら語らぬのなら言葉は不要。ただ拳で語るのみ。
元よりこの拳のみが己にとって確たるものだからだ。
怪力乱神、拳で語る 倉石夕タ @kurashiyuuta
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