ただ、それも学園編に入るまで。
あくまで私の感性には合わなかっただけ、という注釈がつきますが。
学園編に入ったら主人公が丸くなったというか、出てる杭を引っ込めたというか、時間解決まで調査パートが入る割に、解決パートまで動機や目的など肝心なところがわからなかったりすることが多々ありモヤモヤさせられます。
解決パートでも主人公はあまり大暴れせずに事件解決のピースの一つとなって動くだけ。
貴族に目をつけられないための立ち回りなのかもしれませんが、この小説の良いところの一つが死んでしまっているのでは、とすら思ってしまいます。
どうか、この先では主人公が風のように戦場を上下左右に駆け抜ける、他の小説では類を見ないスタイルをもっと見せてくれますように。
色々と不満点も言ってしまい申し訳ないですが、
心よりこの小説を楽しませてもらってます。
「王道ファンタジーには飽き飽きした!」
そういう言葉が溢れて久しい昨今です。
ですがそれは「面白い作品があれば読みたいのに」という皆さんの希求の裏返しなのではないでしょうか。
斯く言う私もその一人。日々面白そうな作品を漁ってはコレジャナイ感を抱いて。
そんなときに、たまにあるんですね。
この作品と巡り会えたような、運が良い瞬間が。
是非5話、いや、3話読んでみていただきたい。
そうすれば私のレビューなんか無くても、あとは勝手にあなたの指がページを捲ることでしょう。
主人公のちょっと斜に構えた性格。
両親やヒロインたちの魅力的なキャラクター。
破綻なく練り込まれた魔法や種族に関する世界観。
筆者の高い技量で紡がれる文調・文体。。。
あぁ!やっぱ王道ファンタジーって楽しいじゃん!!
絶対に取り憑かれて、最新話まで一気読みしたくなるだろうこと請け合いです!