10
それから5分経っても誰一人来ず。そのまま東雲さんは僕を軽音楽同好会に誘ったことを後悔して、退部させてくれないだろうか。なんて考えていたら…
「ヘイ彼女!!!軽音楽同好会に興味なーい!?」
東雲さんは遂に部長パワーを制御し切れなくなったのかな。
東雲さんに話し掛けられた彼女は僕たち1年生と同じ色のリボンをつけて、ブレザーの代わりにベージュのカーディガンを着ている女子生徒だ。身長は低めで顔立ちも幼い。流石に東雲さんもそんな手段に出る人ではないと思いたい。
彼女は眠そうな表情を浮かべながら東雲さんの方を向いた。
「けい…おんがく…?」
少し目が覚めたような表情に変わった。
「そう!音楽!一緒にバンドを組んでさ!そして!」
チャラいバンドマンの女子高生版かな?
そして彼女は僕が持っているチラシに目を向ける。
「これ吹奏楽部って書いてな〜い?」
再び眠そうな、もしくは怪訝そうとも思える表情に変わる。申し訳ないという気持ちにしかならない。
「ほら!吹奏楽部って楽器を演奏するじゃん!更に軽音楽!同好会!気軽に始められるよっ!」
全国の吹奏楽部員に謝るべきだと思うよ。
「おんがく…。とりあえず、チラシだけ貰っていくね〜。」
と、彼女は僕が持っているチラシを、コンビニに置いてあるパンフレットかの如くスルッと受け取った。
つくりかけのスコア みと @mitoo_310_kr
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